日本財団 図書館


2 観光・交流市場の動向

(1)硯光二一ズの動向と島 観光の市場性

ア観光需要の展望と観光振興のあり方

 高度経済成長、オイルショック、安定成長、バブル景気そして崩壊という社会・経済環境の変化のなかで、これからの観光需要の動向及び観光振興のあり方は次のように捉えられる。
 

○高齢者・障害者への対応

 静止人口、高齢化のなかで、観光・交流の位置づけが高まるとともに、高齢者、障害者に対応した観光地整備が前提条件となる

○2010年までに観光需要は1.3倍

 国内観光需要の総量は、向こう15年間で現在の1.3倍程度の伸びが予測されている。(社団法人日本観光協会の予測)

○週休観光と四季型観光リゾート

 日本の休暇は週休2〜3日、四季休暇1週間内外が定着する。したがって、観光保養(小リゾート)と四季型観光・リゾート需要が増加する。後者は海外旅行と競合する面が多くなる

○観光地ネットワークが台頭

 観光需要は多様化・個性化・高度化しており、個性観光の時代が進む。したがって、観光客誘致力の強いスーパー資源がなくても、地域の個性や個性的な小規模資源をじっくり体験し、楽しむといった需要が増大するので、地域の個性を発信することが訪客につながる。その意味で、個性的な小規模観光地のネットワークが台頭する時代とみてよい。

○資源観光から地域硯光へ

 質的には、自然親和、地域文化、体験・交流などの志向が増加し、総じて本物志向が如実となる。その意味から自然体験学習、農山漁村滞在、食芸体験などへの対応がポイントとなり、「資源観光」から「地域観光」の視点が不可欠となる。

○家族、中・小グループの増大

 観光形態は家族・中・小グループ(夫婦、仲間)が相対的に比率を増すが、団体旅行を含め多様化した状況となる。

○地域ぐるみ硯光の必要性

 「地域観光」へのシフトから、観光地はいわゆる観光資源のみならず、地場の産業や生活文化などと結んだ「地域ぐるみ観光」が求められる。また、観光の経済、社会効果を地域内に波及させる意味でも対応は不可欠である。
 
 

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION