日本財団 図書館


定着するとみられ、この立地条件の改変が、今後の玄海諸島の産業振興を検討する前提として重要である。
 結論的にいえば、次のような影響と対応の方向として概括できる。
 
○西九州自動車道整備は、玄海諸島にとって潜在市場拡大の可能性を有する。具体的には、福岡都市圏はじめ北九州都市圏との時間距離の短縮に伴って北九州の大都市圏が玄海諸島の主に日帰り圏、一部一泊圏に入ってくるため、当該諸島の特産品・観光・交流の潜在市場の拡大の可能性を有する。
○国道203号バイパス整備(地域高規格道路)は、九州横断自動車道との連絡を含め、佐賀市周辺、福岡県南西部と当該地域との関係が密になると予想され、特産品、観光、交流の潜在市場の拡大及び東松浦半島を取り込んだ広域観光ルートの形成・強化にも寄与するとみられる。
 

(イ)対応の方向

玄海諸島と東松浦半島との一体化した対応

 一般的に、潜在市場の拡大は広域競合を喚起し、特に、観光の場合、日帰り化・立ち寄り化を促進する可能性が強まるので、東松浦半島及び玄海諸島ともに一体となった広範な滞留・滞在魅力強化策と宣伝PR・情報提供及び玄海諸島共同での市場直結戦略の展開、広域連携の強化などが不可欠となる。
 

イ東松浦半島(本土)における既定計画・関連箏簑の影響と対応の方向

(ア)影響

特産品・観光・交流に関する玄海諸島の販売力及び観光・交流魅力の強化

 玄海諸島の活性化に影響をあたえる東松浦半島の主たる既定計画・関連事業は、端的に、玄海諸島と本土との連携のポテンジャルを高める可能性を有する。
 例えば、桃山天下市は離島産品の販売窓口を強化し、呼子の港湾整備は玄海諸島の定期航路の強化や観光クルーズの可能性を高め、少年自然の家は島を取りこんだプログラムを導入することによって玄海諸島を体験学習の場、国際交流の場として浮上させる可能性をはらんでいる。

(イ)対応の方向

玄海諸島の連携強化と東松浦半島の既定計画・関連事業の活用

 玄海諸島の対応の方向としては、既定計画・関連事業の影響を分析して、中長期の環境変化を踏まえた人、物、情報の立体複合的なネットワークの整備が必要となる。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION