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 域の内航海運事業者の83.4%、3,753事業者は貸渡業者であり、その多くは零細な一杯船主として内航輸送を担っている。これらの零細な業者が運賃交渉力、営業力や資本力等を強化するためには、やはり、共同化や協業化が不可欠であろう。また、荷主の内航運送業者に対するコスト削減要求は止むところを知らない状況にあることから、従属的な系列取引ばかりでなく系列外取引を増やす等のグループ化・協業化の積極的な推進が望まれる。

 なお、共同化や協業化は、次のようなメリットが考えられる。

 A.企業としては

 ・運賃や用船料の交渉力の強化等

 ・単独企業ではできない単位当たり経営コストの削減

 ・複数の荷主の確保による時期的な変動の平準化

 ・輸送サービスの安定的な供給

 ・情報システムの導入等によるサービス水準の向上

 ・船舶や船員の効率的な運用(配船・配乗計画)

 ・輸送距離の削減等

 B.社会的なメリットとしては

 ・効率的な輸送によるエネルギーの軽減

 ・物流コストの削減による社会的経済的効果等

 

 

 

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