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第1章調査概要

  1−1調査の背景と目的

 九州は、関東・関西経済圏に対し遠隔地にあること、又、多く離島を有するという地理的特性もあって、内航海運の果たす役割は重要であり、特に、従来から鉄鋼、セメント等の基幹産業の比重が高い九州経済に果たす役割は大きい。こうした事情から全国の海運貨物輸送に対する九州発ベースでの貨物シェアは約30%を占めており、九州の内航事業者及び内航船員の全国シェアも高く、内航海運業は、九州の各地域の経済を支える重要な産業となっている。
 しかし、地域内の内航海運業は、ほとんどが中小零細事業者で、経済基盤が極めて脆弱な状態にあるため、構造改善の推進を図るとともに経営基盤の強化が求められている。
 一方、国内の物流分野では、輸送効率化およびモーダルシフトの推進が求められており、内航海運もモーダルシフトを担う重要な輸送モードとして期待されていることから、内航のこの分野への対応が緊急な課題となっている。
 こうした状況を背景として、九州における内航海運業が将来にわたり、より活力と魅力のある産業に発展を遂げるため、その課題と可能性を探り、その方策を検討し、もって海運産業の振興と活性化策を明らかにする。

 

 

 

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