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 ■テーマ別まとめ
 

(1)香港港の位置づけ   

 香港のターミナル運営は民間ターミナル運営会社に完全に任されており、自由競争によって、港湾運営は徹底的に合理化されると考えられている。なお、ターミナル運営会社の新規参入に対しての制約はない。
 想定される背後圏は中国南部(広東省、福建省など5つの省)である。これらの地域と香港の間は、フィーダー船、トラック、鉄道によって輸送されている。
  香港に近接する広東省の塩田港は、鉄道、道路、税関、乙仲といったインフラや港湾サービスがまだ不十分であり、香港の優位性を脅かすほどのものではない。中国南部では香港の設備、インフラが最も充実している。

(2)運営形態(官民の役割分担)  

 香港政庁は土地の使用権を与えるほかは、不干渉の姿勢を一貫している。港湾計画については、「港湾開発委員会(PortDeveIopmentBoard)」(メンバーは香港政庁、民間コンテナターミナル運営会社、乙神業者、船社、中国当局、中国船社等)において、協議される。
 港湾整備はターミナル会社が共同出資により行うが、ターミナル会社間の利害調整は難しい。

(3)港湾別テーマ  

<バースの優先使用>
  船社のバース利用の優先権は、ターミナル運営会社への投資額やコンテナ取扱量が多いほど高まる。
  各種料金はターミナル運営会社と船社との間で個別に設定され、取扱量に応じた優遇措置なども個別に決められている。なお、香港政庁はポートサービス、船籍証明の料金のみを徴収している。

<用地不足への対応>
 コンテナターミナルでは、全ての貨物を処理しきれないため、香港全取扱量の1/4程度(1995)のコンテナがコンテナ積卸しが可能なクレーンを装備したパージによる海上荷役によって取り扱われている。
  HITのコンテナヤードでは6段積みに対応したトランスファークレーンが開発され、導入されている。
  また、空コンテナ置き場は内陸部(ターミナル外)に分散しており、建設用のタワークレーンを用いて10段積みで保管されているところもある。
  CFSも高層化が進んでおり、HITのCFSがある香港国際流通センターは10階建て、MTLターミナル敷地内にあるCFS機能を持った倉庫は12階建て(延べ109,433ポ)である。

 

 

 

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