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とが重要である。

 

?A 会議の場を利用した指導

 

第二に、「職場討議」など職場における会議の機会を利用した指導があげられる。これは、仕事の計画・実施・考査のあり方、当該職場が担当する課題及びその解決策(目標、方策等)、連絡調整など幅広い範囲の内容をテーマとした会議や随時の打ち合わせを設けたり、あるいは業務の進行管理のための定例会議を設けている場合にはその議題に学習的要素を盛り込むなどして、こうした機会を職員教育の場として活用するものである。
なお、こうした会議の運営に当たっては、司会のもち方、実施時期、気持ちよく参加できる雰囲気作り等に配慮することが必要であるとともに、政策形成能力の育成の観点を踏まえて取り組むことが重要である。

 

?B 問題解決援助のスタンス

 

第三に、日常接触指導及び会議を通じた指導のいずれの局面においても留意すべきポイントとして、問題解決を援助するスタンスで職員に接することがあげられる。これは、職員が困っていることについて管理監督者に質問してきたときなどに、そのものずばりの答えを与えるのではなく、問題解決能力を高めるため、自分でその解決ができるようにしむけるやり方である。
このやり方が効果的であるのは、指導者はあくまで学習の援助者であり、職場研修における学習の主体は本人自身であるからである。学習の仕方には、「教わる」、「考える」、「感じる」の三つのアプローチがあるが、感じる学習は、全人格的な学習、自律的な自ら学び取る学習であって、体験学習はその典型である。職場研修においても職員自らの実地の経験に勝る教えはないといえることから、問題の解決策を与えるより、解決策を自ら編み出させる方が効果的な学習になるはずである。
具体的には、職員が、問題の解決のために必要な事実をつかんでいるか、核心となる原因を究明しているか、何が目的・目標であるかを認識しているか、幅広い視野に立って複数の対応策の代替案を考えているか、最良の対応策を検討し、決定する手順を踏んでいるか等について、管理監督者が、当該職員に対する質問を通じて調べた上で、必要な助言を

 

 

 

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