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?D 権限の範囲を明確にする
?E 以上、5項目について、部下(後輩)が理解し、納得したか、相互に確認するというような形であり、このような過程の中からPDCA(Plan〜Do〜Check〜Action)サイクルを回していく力が身についていくのである。
したがって、職場研修の技法は、このような関係的過程の中から、仕事への取り組み方、考え方を教えるものでなくてはならず、この過程の中で、部下は上司の感化を受け育っていくはずである。そのためには、職場の育成的風土、相互啓発的風土の醸成が鍵であり、OffJTとOJTをうまく連動させていくことも重要である。

 

2)主な技法
?@ 日常接触指導

 

職場研修の主な技法としては、まず第一に、日常接触指導があげられる。これは、日常の仕事について、その成績や行動実態の是非・適否を判断し、ほめる、注意を与える、誤りを直す、補足的説明をする、質問をする、報告や意見具申に対応するなどのことを通じて職員に対し、仕事に必要な知識・技術・態度を計画的に習得させるものである。
第2章において述べた現状分析のとおり職場研修の実施方法については、個別の職員に対して日常接触指導を行っている団体が最も多いことからも、きめ細かい個別指導に適しており、フェイス・ツー・フェイスの指導プロセスが良好な人間関係、相互の信頼関係を育むことにつながり、特に経費もかからないという職場研修の長所を備えた日常接触指導が職場研修の実施方法の中心になっているものといえよう。
また、日常接触指導の機会については、基本的にあらゆる場面をとらえて行うことが効果的であるが、職場研修の成功例として一括りの未知の仕事を任せて効果を挙げている例が多いことから、このような仕事の与え方と適切な日常接触指導の組み合わせが職員の育成の上で一層効果をもたらすものと考えられる。
さらに、日常接触指導は、その職場の仕事に慣れていない新規採用者や転入者をできるだけ短期間に戦力化する目的で教育する場合に特に意識的に取り組まれることが多いと考えられるが、その場合基礎的業務遂行能力の側面についての指導・育成に目を向けがちとなりやすい。しかし、今後は政策形成能力の育成という観点も踏まえて取り組んでいくこ

 

 

 

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