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SPB LNGタンク応用技術の展開

Extended Applications of SPB LNG Tank Technology
藤谷堯 Takashi FUJITANI 船舶海洋事業本部 Shipbuilding & Offshore
朝田宏 Hiroshi ASADA 船舶海洋事業本部 Shipbui1ding & Offshore
仲地唯渉 Isho NAKACHI プラント事業部 Plant Engineering Division
森幹郎 Mikio MORI プラント事業部 Plant Engineering Division
IHI:石川島播磨重工業株式会社
Ishikawajima-Harima Heavy Industries Co. ,Ltd.
KEYWORDS: SPB, LNG Tank, LNG FPSO. LNG FSRU. LNG FSO. SPB LNG Carrier
ABSTRACT
IHI has developed its own SPB LNG tank technology and applied it to two LNG carriers (POLAR EAGLE & ARCTIC SUN) which were delivered in 1993 and, since then, have been successfully on voyage between Alaska and Tokyo Bay withstanding harsh sea conditions in winter. Through these experiences, IHI proves the excellent features of SPB technology, and, based on them, IHI are further going to make other various applications such as LNG FPSO, LNG Floating/Shore Tanks. Very Large LNG Carrier. etc.
Note:SPB:自立角形IMOタイプB型(Self-supporting Prismatic-shape IMO type B)
IMO:国際海事機関(International Maritime Organization)
1. はじめに
アジアのエネルギー需要は21世紀に向けて大幅な増大が予測され、天然ガスもLNGとしての需要が大幅に増加すると予測されている。
天然ガスは主として電力、都市ガス用の燃料として使用されており、他の化石燃料と比べ炭酸ガス、窒素酸化物、硫黄酸化物等の排出量が少なく大気汚染、地球温暖化といった環境に与える影響が比較的少なく、また、エネルギー源の多様化上も重要なものとなっている。
日本等のように天然ガスの大量生産地から遠く離れ、かつパイプラインによる輸送も困難な場合は液化天然ガスとしてLNG船により運ぶ方法が採られているが、これに要するコストはLNGの低温性(−162℃)に起因して、生産現地での生産・液化・貯蔵・積出し、LNG船による運搬、受入れ消費地での受入れ・貯蔵・ガス化(→消費)の各部において多大となる。
本論文は当SPB技術を応用してこれらのLNG生産基地、輸送、受入れ貯蔵基地名コストを低減させるための提案に関するものである1
lHI(石川島播磨重工業(株))は独自の国産LNG船技術SPB方式を開発し、この方式で2隻のLNG船(POLAR EAGLE(図1),ARCTIC SUN)を1993年(平成5年)に完成した。それ以来両船は日本・アラスカ間の航路に就航し、特に冬期の厳しい海象条件においてもLNGの定期輸送を順調に続けている。この航海を通じてSPBの予測された、中間液位の積付けができる、上甲板が平で広い、ボイルオフ率(BOR)が小さい、保守・点検が容易等の多くの優れた特徴が実証された2
これらの特徴を同時に備えているLNGタンク方式はこのSPBのみであり、図2に示す広い分野への応用が期待できる。SPB技術は優れだLNG船も技術として開発したが、ここに示す技術の発展性も技術開発を推進する大きな動機であった。
図2に示すようにSPB技術はLNG船についてはさらに超大型化を計れる等の適用が期待されるが、これらは他の機会に述べるとして、本論文では主にSPB技術

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図1 LNG船POLAR EAGLE

Fig-1. LNG Carrier, ”POLAR EAGLE”

 

 

 

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