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電解発生気泡ポンプの揚水特性について

On the Characteristics of Gas-Lift Pump using Electrolytically-Generated Gas-Bubble
熊谷田雄、浜田正道、鈴木幸雄
(東京理科大学理工字部機械工学科)
Teruo KUMAGAI
Masamichi HAMADA
Sachio SUZUKI
Department of Mechanical Engineering
Science University of Tokyo, 2641,
Yamazaki, Noda City(278), Japan
Key Words: Fluid Machinery, Fluid Transportation System. Gas-Lift Pump. Air-Lift Pump,Polymer Additives
ABSTRACT
A gas-lift pump using electrolytically-generated gas bubbles in electrolytical water is proposed and studied experimentally in order to lift valuable mineral deposits on deeep sea floor. The insoluble gas volume rate QG(ml) applicable for pumping sea water is represented as QG=0.144K, where K(c) means the charged electric current. Flows observed in gas-lift pump are bubble flow, slug flow,froth flow and annular flow. The flow regimes agree well with the one proposed previously byGriffith & Wallis. PEO(polyethylene oxide) addition to sea water reduces the frictional energy lossand improves the characteristics of gas-lift pump at the range of bubble flow. The application ofslug flow is concluded to be most advantageous for gas-lift pump.
1. はじめに
1980年の深海鉱物資源船「第二白嶺丸」竣工以降ハワイ沖深海底に堆積しているマンガン団塊採鉱システムについての我が国の研究にも一段と拍車がかかり多大の関心を集めた1)。他方、最近コバルトリッチクラストや熱水鉱床が南鳥島周辺をはじめとする我が国経済水域内で次々と発見され2)3)、これらの有用鉱物資源の回収にも熱い視濠が注がれるようになってきている数千メートルの深海からの有用鉱物資源の回収技術は今後世界中で必要とされると考えられるが、未だ人類の未到技術と言っても良い。我が国では現在やや熱意が冷めてきており実現にはまだ地道な努力を要するとはいえ、実現に向けて更なる努力を傾注しておく必要があることを強調しておきたい。
深海からのマンガン団塊探鉱プロジェクトでは圧縮空気を揚水管に吹き込む形式の気泡ポンプの利用も計画され、いくつかの基礎実験も既に行われている1)。圧縮空気を用いる気泡ポンプの揚水特性については既に多くの研究が行われてきており、解明されていることも少なくない4)6)。他方、揚水管内に電極を挿入して直接海水を電気分解して発生する気泡を利用するきわめて簡便な形式の電解発生気泡ポンプも考案されている6)。この電解発生気泡ポンプは電極、ケーブルと電源装置のみから構成されており、可動部分を持たず簡単である上、電解質水溶液であればどのような水溶液でも揚水できるので広範囲の用途が期待されている7)。しかし、電解発生気泡ポンプの揚水特性及び固体流送特性に関しては未だ不明の部分が少なくない。
以上の事情を考慮して、本論文では先ず海水を電気分解した際に発生する気体の内、気泡ポンプに利用できる海水に不溶性の気体量を検討する。次いで、気泡ボンプの流動様式を検討し、電解発生気泡ポンプの気泡流領域での揚水特栓とスラグ流、フロス流、環状流の領域での気泡ポンプの揚水特性を検討する。更に、高分子添加剤PEO18(polyethylene oxide)を添加した場合の気泡ポンプ内の流れの各領域での管摩擦損失低減幼果を検討する。

 

 

 

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