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3 アプリケーション復旧の優先順位の設定例

 ここでは、震災によって情報システムがダメージを受けた場合に、ハードウェアの修復とともに行われるアプリケーションの復旧について考察する。
 保有するアプリケーションの量や内容(機能やカバーする業務の範囲)は地方公共団体によって違いがある。したがって、ここで考察した内容がすべての地方公共団体に該当するわけではないが、例として以下のアプリケーションの優先順位について考察する。

・災害情報システム

・住民記録システム

・土地・家屋台帳システム

・国民健康保険システム

・国民年金システム

・都市計画情報システム

・住民税システム

・財務システム

 市区町村については、災害情報システムを有する地方公共団体については、当該システムの復旧を最優先とする。それ以外では、住民の被災状況を把握する必要があり、住民記録情報システム及び家屋情報システム(固定資産税)の早期復旧と被災情報とのリンク(被災者台帳、被災証明、義援金交付)を優先する。次いで各種減免措置のために市民税や国保等のシステムの復旧と被災情報とのリンクが必要になる。初期の救援活動がある程度収束した段階で、都市としての復興のために都市計画関連のシステムの復旧と被災情報(特に、土地・家屋関連)とのリンクが必要になる。こうしたケースの場合、復旧の優先順位は次のように設定できよう。

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 都道府県においては、広域的な災害状況を把握し、これを対外的に報告・連絡する必要があろう。したがって、災害情報システムの早期復旧と救援体制とのリンク及び対外発信を最優先とする。次いで財務関係、税務関係など外部に影響の出るシステムの優先度が高いと考えられる。それ以外については、おおむね内部事務システムであるため、大きな優先度の違いはないものと考えられる。こうしたケースの場合、復旧の優先順位は次のように設定できよう。

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