日本財団 図書館


第4節 周辺機器

4−1 磁気ディスク、プリンタ等の床置き装置

 磁気ディスクやプリンタ等の床置きの機器については、床固定を施していないものはほとんど横ずれを起こしている。横ずれの結果、「フリーアクセスフロアの外れた個所に落ち込んで横転、傾斜を起こした」、「ケーブルコネクタが破損した」等の被害が多く発生した。
 ただ、最も重要な磁気ディスク装置内のデータについては、地方公共団体に関して言えば、運転時間ではなかったためか、横ずれ・転倒したものでも被害は軽微であった。これが運転時間中であり、しかもアクセス中などであった場合には被害が大きくなっていたであろうことは容易に想像できよう。これは阪神・淡路大震災特有の事情(地方公共団体の執務時間外に地震が発生)であったということができよう。

4−2 モデム等の棚置装置

 モデム等の棚に置いてある装置については、棚自身が固定されていない場合、棚の振動や転倒によって装置が振り落とされて散乱した例がある。

第5節 端末、パソコン

 一般の執務室の端末、パソコン等は、固定していないものが多く、転倒、落下などにより1〜2割が使用不能になっている。それでも本体は電源を入れれば動作したものが多く、むしろディスプレイ、プリンタ、キーボードなど本体以外の破損や、ケーブル、コネクタ、電源コンセントなど接続部が落下にともなって引っ張られたことによる破損が目立った。
 また、機器の安全が図られたマシン室と異なり一般の執務室内のものであるため、水道配管の破裂などによって冠水して使用できなくなった例もある。

第6節 ネットワーク

6−1 LAN(Local Area Networkローカルエリアネットワーク)

 建屋内のネットワークは、比較的被害が少なかった。これは今回の調査対象の地方公共団体において建物の損壊が一部にとどまったことと関係があるものと考えられる。他の事業所を含んだ調査においても、建屋の倒壊に巻き込まれたりしない限り、建屋内のネットワークは無事だったという結果が出ている。(日経コンピュータ95年3月20日号『特別レポート阪神大震災の現場から』)

6−2 通信回線

 専用回線については、地震直後に不通になった場合でも2〜3目で使用可能になっている。このため、ホストコンピュータを復旧しオンライン業務を開始するまでに、間に合った事例が多かった。

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION