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(7)誤り検出符号と誤り訂正符号

 誤り検出符号は伝送中の雑音などによって、ディジタル信号の伝送に誤りがあった場合にその誤りがあったことを検出するための符号で、情報の伝送のための符号よりも余分の符号を必要とする。例えば同じ情報を時間を置いて2度送信して両者の受信結果を比較するとか、一定長さの符号に送信側で1ビットを追加して、その全長さの符号に1が偶数(又は奇数)であるかを受信側でチェックする方法(パリティチェック)などもある。誤りがあることを検出するだけでなく、その誤りを訂正しようとするのが、誤り訂正符号であってそれだけ余分の符号が長くなる。例えば、同じ情報を3回以上送信し、多数決の原理を利用すれば誤りを検出するだけでなく、正しい情報の取得ができる。誤り検出と誤り訂正符号には、ブロック符号と畳込み符号とがある。ブロック符号は、信号列をある長さに区切り、その区切りごとに独立して冗長性のための訂正(検出)符号を付すもので、これにはハミング符号、BCH符号などがある。これに対して、畳込み符号は信号列をある長さに区切るが、そこに付ける冗長性の訂正符号はその区切りの数区切り前までの情報符号に基づいて付加される。その区切りの受信出力はブロックと呼ばれる。こうして、付加した訂正符号が影響するブロックの数、又は、それらのブロックの全ビット数を拘束長と呼ぶ。情報ビット数と全ビット数の比は符号化率と呼ばれる。

3・9・2船舶通信に使用されているディジタル通信

 前項にて述べたように一般的にディジタル通信は、音声又は画像等のアナログ信号を標本化定理に基づいて“1”又は“O”の符号として伝送し、受信側で再びそれを元の信号に復元するものであり、アナログ信号のように伝送の途中において、その振幅、周波数、位相等を正しくそのままの形で送らなければ忠実度の高い伝送ができないのに対し、ディジタル信号では符号の“1”又は

 

 

 

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