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3.2 海外のヘリコプター計器飛行方式等の開発動向
1)運航の実態
(1)North−east Corridor
米国のヘルコプター専用計器飛行開発計画の一環として、North−east Corridorプロジェクトがある。米国來海岸のボストン−ニューヨーク−フィラデルフィア−ワシントンD.C.を結ぶGPSべースのヘリコプター計器飛行ルート(コリドー)であり、約15年前に設定されたR-NAVルートとは別のものである。
このルートはレーダー・コントロールされているが、ルート幅は1nm、MEAはひとつのセグメントでも一定でなく変動することがあり、特にトラフィックが輻輳し、高層建築物の多いニューヨーク空域等では顕著である。例えば、ニューヨークの場合2,500ft→1,500ftでラガーディア空港のILSアプローチルートの下を飛び、再び2,000ftでハドソン川を左折するという具合である。最低高度は障害物より1000ftである。
本ルートは固定翼機用ルートとの重複を避けて設定されており、このコリドーを飛行するかぎり固定翼機とのセパレーションを考える必要がなく、いわゆる“ビルト・イン・セパレーション”となっている。
ルート上のスペシャル・セパレーションは、垂直方向500ft、水平方向及び横方向3nmである。
既に120日間のVFRによるVFR高度での試験は終了し、次のフェーズとして、近くIFR高皮での試験を開始することになっているが、まずトラフィックや障害物の多いニューヨーク空域で始める事になっている。
試験予定は、以下のようになっている。
ニューヨーク 3月末迄
ワシントンD.C./ボルチモア 夏半ば
全体の試験完了については、サンクス・ギビング(11/27)迄にと考えている。
このIFRルート設定に引き続いて、このルートとヘリポートを結ぶGPSアプローチ設定計画がシコルスキー社によって行われる予定となっている。
North−east Corridor完成の最終的な時期については現在までのところ明確にはなっていない。

 

 

 

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