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2.4 機体外部からの電磁波による影響に関する米国耐空性要件等の調査
2.4.1 ボーイング777型式証明発行時の米国連邦航空局発行のイシューぺ一パーSE-1(概要)
以下はボーイング777型式証明発行時に米国連邦航空局が発行したイシューぺ一パーSE-1の概要である。
問題点
ボーイング777では重要な機能を持つ電気・電子システムが装備される。これらのシステムには、電子表示装置、エンジン電子制御装置、フライ・バイ・ワイヤ、その他がある。現在の耐空性要件には、飛行機外部からの高放射電磁界(HIRF)の影響からこれらのシステムを保護するための適切な安全基準が設定されていない。
議論
技術革新により、飛行機のシステムはハイテクが駆使され、機体構造にはコンポジット材が使用され、又ラジオ局、テレビ局、レーダー局等からの放射エネルギーもより高くなってきている。これらが複合した結果、機体の電気・電子システムの電磁界に対する感受性は増加してきている。
一般に航空機のデジタル・システムはアナログ・システムより低いレベルでも干渉を受けやすい。デジタル・システムはより少ない構成部品の中により複雑な機能(これらの機能はアナログ・システムでは手動、電気機械あるいは油圧により作動していた。)を持っている。これら最新のシステムはコスト、パイロットの負荷、整備負荷等を低減する目的から急速に普及してきている。
また、燃費を向上するためアルミ合金より軽量なコンポジット材が採用されてきているが、金属に比べはるかに導電性の低い材料であるため、シールド効果はほとんど期待できず、結果として電気・電子システムを電磁界にさらすことになってきている。
米国連邦航空局(FAA)の立場
最近の型式証明においては、重要な機能を持つシステムについてはHIRFに関する特別要件が適用されている。この特別要件では「正常に機能しないことが安全な飛行・着陸を妨げるようなシステムについては、飛行機が外部からの放射電磁界にさらされてもその機能が阻害されないよう設計・設置されていなければならない。」としている。この特別要件は新規型式

 

 

 

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