今回測定の対象となった機器はいずれも国産であることから、まず我が国の電子機器からのEMIに関する規制について述べる。電子機器からのEMIについては、電気用品取締法により規制されているが、この規制の対象は交流電路に使用するものに限られている。従って、携帯用電子機器は対象外である。一方、情報処理装置および電子事務用機器からのEMIについては、情報処理装置等電波障害自主規制協議会(Voluntary Control Council For Interference by Data Processing Equipments and Electronic Office Machines;略称VCCI)の技術基準があり、対象機器の具体例として、パーソナルコンピュータ、携帯用ワープロ、ホームファックス等が挙げられている。VCCIでは携帯用も適用されるが、携帯用ラジオ、携帯用テープレコーダー、携帯TV等は規制が明確でないのが現状である。電気用品取締法、VCCI共に許容値はCISPR(国際無線障害特別委員会)規格に基づく電気通信技術審議会答申に従っている。CISPRは、電気に関する国際規格の統一と協調を促進しIS0(国際標準化機構)の電気部門でもあるIEC(国際電気標準会議)の特別委員会として各種電気機器からのEMIに関する規格の統一を促進している。