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2.1.7考察
2.1.7.1現存する規格類
今回測定の対象となった機器はいずれも国産であることから、まず我が国の電子機器からのEMIに関する規制について述べる。電子機器からのEMIについては、電気用品取締法により規制されているが、この規制の対象は交流電路に使用するものに限られている。従って、携帯用電子機器は対象外である。一方、情報処理装置および電子事務用機器からのEMIについては、情報処理装置等電波障害自主規制協議会(Voluntary Control Council For Interference by Data Processing Equipments and Electronic Office Machines;略称VCCI)の技術基準があり、対象機器の具体例として、パーソナルコンピュータ、携帯用ワープロ、ホームファックス等が挙げられている。VCCIでは携帯用も適用されるが、携帯用ラジオ、携帯用テープレコーダー、携帯TV等は規制が明確でないのが現状である。電気用品取締法、VCCI共に許容値はCISPR(国際無線障害特別委員会)規格に基づく電気通信技術審議会答申に従っている。CISPRは、電気に関する国際規格の統一と協調を促進しIS0(国際標準化機構)の電気部門でもあるIEC(国際電気標準会議)の特別委員会として各種電気機器からのEMIに関する規格の統一を促進している。
海外のEMIに関する規制のための規格の代表的なものとして、FCC(米国連邦通信委員会)規則、VDE(ドイツ電気技術者協会)規格がある。但し、VDEについては現在はEN規格(欧州統一規格)に代わっている。また航空機搭載電子機器に対する規格としてRTCA(米国無線技術委員会)D0-160Cがある。FCC, VDE, VCCI, RTCADO-160Cについて各規定のクラス分け、対象機器一覧を表-3に、許容値の比較を図-26、図-27に示す。図に示されるように各規定間の許容値は異なっている。また、周波数範囲はRTCAのみ150KHz〜1215MHzであり、他はいずれも30MHz〜1GHzである。RTCAで1000MHz〜1215MHzが含まれているのは航空機システムの一部がこの周波数帯を使用しているためである。また他の規格は30MHz以下を規定していないが、これは30MHz以下では電源線などからの伝導による妨害の方が大きいという判断からで、それぞれの規格の中に伝導妨害として別途許容値が設定されている。
尚、航空機内で使用する携帯用電子機器に対するEMIに関する規制のための規格は我が国には無い。
2.1.7.2 考察
今回測定した機器のうち、パーソナルコンピュータ2台、デジタルカメラ、ゲーム機にっいてはVCCI適合品であり、測定結果もVCCI基準を満足していた。その他の機器も意図的に電波を発射する携帯電話は別としてVCCI基準を満足していた。今回の測定は航空機搭載

 

 

 

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