まえがき

近年における電子機器の発達に伴い、航空機内において携帯電話、パーソナルコンピュータ、携帯用CDプレーヤー・ビデオカメラ・テレビ・ラジオあるいはゲーム機器の使用を求める一般乗客からの声が大きくなってきている。

しかしながら、これらの機器からは微弱電波が輻射されており、場合によってはこれが電磁波干渉（EMI）となって航空機搭載の航法用電子機器に悪影響を及ぼす可能性があるこのことは一部マスコミ報道等を通じて一般に知られるようになり、社会的関心を集めているところであるが、現時点ではこれらの機器が実際にどの程度の影響を与えているのかを示す具体的データは少ない。

この為、平成8年度、航空振興財団は日本財団の補助を受け、一般電子機器が発生するEMIデータを収集するとともに、諸外国の文献調査も併せて行い、航空機の耐空性を確保するためのEMI技術基準策定の為の基礎研究を実施した。

今年度の調査には、学識経験者、航空会社、航空機器メーカー、関連社団法人及び国の各機関（運輸省航空局、同電子航法研究所、郵政省電気通信局）の専門家の多数の参加を頂き、甚大なる御協力を忝なくした。ここに衷心より御礼申し上げる。

航空機内で使用する電子機器の電磁干渉波技術基準調査委員会

委員長 水町守志

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