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2.5.2 SITA
SITAはCAAザーバーの開発を行っており、それに関連し、FANS−1/Aの取り扱いについてこれまでの航空会社への通信サービスと異なる点を指摘し、その解決策を検討していることが注目される。それぞれの航空会社は異なるメディア、異なるサービス。プロバイダと接続している。ある航空会社はARINCとSITA双方のVHFを利用しているが、衛星サービスについては片方のみを利用している。このために、ATC機関は通報の正しい伝達ルートを決定出来ない状態である。これを解決するのがサービス・プロバイダ間の"インターネットワーキング"である(次ページ図参照)。FAAC/SOITPackage−Bによると、95%の通報は60秒で伝達されなければならないとされており、これが、承認の基準となると思われる。通信コストが最小限になるように、そしてVHFのみを装備している大半の航空機向けにデザインされたSITAのトラッキング・システムを見直す検討がされている。
メデイアの違い、サービス・プロバイダの違いがアップリンク・ルーティングに問題を残しているが、解決策としてメディア・アドバイザリー・メッセージを導入している。メディア・アドバイザリー・メッセージの使用は、CAAサーバーに常時、実際の接続状況とルーティング情報を知らせることとなる。これによりVH1Fカバレージが不連続な地域でも正しく働き、これまでタイマーを基準としてリトライしていた不確実性を削減することが出来る。最終的には、衛星経由で通報の伝達が試みられることとなる。
安全確保の観点からFANS−1/A航空機はCAAサーバーに登録されなければならない。さもなくば、インターネットワーキング。サービスヘのアクセスを拒否される。航空機の登録には、SITA/HDQASXS(テレタイプの宛先)に当該航空機の登録番号を通知すると、自動的にARINCへも登録される。
2.5.3 ATS機関のFANS取り組み状況
2.5.3.1 フランス
DGAC 1で試運用・サービス中のデータリンクの概要を以下に述べる。
(1) CLAIRE(DGACのPre-Departure Clearance)
1992年開発に着手し、1995年11月から試運用を行っており、1日当たり110-130通で、これまでに60,000通が取り扱われており、成功率は97%である。平均の応答時間は12.5秒であった。今年の夏以降、オルリーとリヨンで正式サービスが開

 

1 DGAC: Direction Generale de l’Aviation Civile

 

 

 

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