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2.5海外のサービス・プロバイダー等の調査

海外のサービス・プロバイダーは、北米を中心としたARINCと欧州・アジア・南米を中心としたSITAの通信事業者に大別される。特に、ARINCはACARSシステムを始めとして、CNS/ATMシステムについても先駆的な存在であり、地上系システム構築に関しても新CNS/ATMシステムに対応すべく取り組んでいる。以下に、ARINC、SITA等の新CNS/ATMシステムを含めた新、い運航環境の取り組みについて述べる。
2.5.1 ARINC
(1) PDC(Pre Departure Clearance)
1990年にサービス開始以来、1996年4月までに55空港に展開済である。1日10,000通のPDCがデリバリーされており、これまでに総計1,500万通が取り扱われている。平均の年間サービスの有効性(Availability)は99.8%である。従来は、コントロールタワーでの処理がPDC専用のワークステーションで行われていたが、現在では、TDLS1端末で取り扱われている。この端末でD−ATISも同時に処理可能となっている。PDC利用航空会社は18航空会社で、米国以外では、QF, SAS, FINAIR等である。
(2)D−ATIS(Digital Automatic Terminal Information Service)
1995年11月からサービス開始、57空港に展開予定で、1996年12月迄に55空港に設置完了予定である。1995年11月からカナダの3空港で試運用中であるが、1997年12月迄に14空港に展開予定(ARINCサービスに加入)である。国際標準であるARINC SPEC−623によるサービスも開始予定(期日未定)である。音声は、デジタル・シンセサイザーを使用し、コントロールタワーから放送している。D−ATISデータベースはARINCにて、維持管理されている。
(3) TWIP(Terminal Weather Information for Pilot)
1995年6月以降ATL,DCA空港を中心として試運用が行われてきたターミナルウェザー・レーダデータをモザイクまたは文字グラフィックで航空機に伝えるサービスであるが、1997年春までには45空港迄展開予定である。このデータには、航空機のみならず、航空会社のディスパッチャーもアクセスすることが可能となっている。

 

1TDLS:Tower Data Link System

 

 

 

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