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2.4機上・地上試験システム間における稼動実験・評価

2.4.1AFN・CPDLC・ADSの初期稼動実験・評価
1996年7月19日、成田にて実施された改修検査以降、JA8079は我が国で第1号のCNS/ATM機となった。また、JA8086も1996年11月21日以降、第2号のCNS/ATM機となっている。これらの機材を利用して、GPSによる航法、ADSによる自動従属監視及びCPDLCによる管制通信の機能について確認してきた。また、不明な点は、ボーイング社、アビオニクメーカー、各サービス・プロバイダー(ARINC、SITA、アビコム)へ質疑応答を繰り返しながら、問題解決も図ってきた。また、実験・評価に参画しているパイロットからは、システムは概ね良好に稼動しているとの評価である。
実際に稼動実験を行った約100回のフライトのなかから、本稿では次の4便のAFN・CPDLC・ADSメッセージを時系列に示した。稼動試験対象便名はJAL006便であり、当該機が実際に飛行している間、図2.4.1−1の「FANSテスト手順ケース2」に基づき、試験を行った。
? 1996年12月26日JAL006便東京発ニューヨーク行きJA8086
? 1997年1月6日JAL006便東京発ニューヨーク行きJA8079
? 1997年1月8日JALO06便東京発ニューヨーク行きJA8079
? 1997年1月17日JAL006便東京発ニューヨーク行きJA8086
上記の便にて収集されたCPDLC・ADSメッセージ(TYPE−Bメッセージ)及び機上にてプリントアウトされたCPDLCメッセージに基づき詳細データを分析したところ、次の結果が得られた。対象ADSDOWNLINKデータ数は63メッセージ、CPDLCUPLINKデータ数は63メッセージ、CPDLCDOWNLINKデータ数は70メッセージである。地上試験システムの時刻はNTTの時報にその都度正確に合わせた。機上のタイムスタンプはGPSのタイムスタンプを使用している。GPS時はセシウム原子時計であり、協定世界時(UTC)との差はうるう秒の挿入により現在11秒進んでいる。ただし、GPS衛星からその補正値も送信され、機上にてその時刻を補正する為、基本的にUTCとの差はない。
○ インターバル間隔304秒のADSコントラクト要求メッセージをUPLINKすると、最大インターバル間隔305秒、最少インターバル間隔303秒で、また、半数のメッセージが304秒のインターバルで機上にてADSメッセージが作成された。

 

 

 

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