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2.3.3機上・サービスプロバイダー・地上試験システム間の導通実験
本実験では日本航空が現在使用している運航管理システムを活用したPCべ−スの地上試験端末を利用し、ADSやCPDLCの受け皿として稼動させた。
図2.3.3に、地上試験システムと機上装置のインターフェイス実験の全体構成を示す。航空機は、FANS−1パッケージを装備した日本航空のB747−400である。
衛星は、インマルサット静止衛星(太平洋)で、航空地球局(GES 1)は、国際電信株式会社(KDD)の山口衛星所または、COMSAT社の米州西海岸にあるサンタ・ポーラ衛星所である。その他、日本の通信事業者であるアビコム・ジャパンが所有するデータリンクシステム、ARINCのデータリンクシステム、日本航空の運航管理システムとPCべ一スの地上試験端末で構成される。
航空機が山口の航空地球局とログオンすると、アビコム・システムを経由してデータが送受信され、サンタ・ポーラの航空地球局とログオンすると、ARINCを経由してデータが送受信される。
また、日本航空の運航管理システム及びACARS MU 2は、VHF通信圏内において、優先的にVHFを利用している。
このシステム構成は実運航に供している空地データ通信環境と全く同じである。
(1) AFNメッセージによる実験・評価
AFNは、ARINC622に規定され、パイロットがATCセンターにログオンする場合に使用される。本評価研究対象メッセージのなかで、唯一キャラクター指向のメッセージである。CPDLCを実行する前に、航空機が自己の有するアプリケーションをATCセンターに宣言する機能である。地上AFN(管制機関)は、メッセージを確認後、機上AFNに承認メッセージを送信し、一連の初期AFNプロシージャーは完了する。
図2.3.3-1に、実機からのAFNコントラクト・メッセージが、地上試験端末に表示された例を示す。
(2) CPDLCによる管制通信メッセージの実験・評価
CPDLCは現在のVHFまたはHFに代わるもので、管制官とパイロットとの間の通信に使用する双方向データリンクシステムである。
ADSと同様、ビット指向型のメッセージであり、機上FMCとATCセンターにて、そのビットマップを解析する必要がある。アップリンク・メッセージとダウンリンク・メ

 

1 GES:Ground Earth Station
2 MU:ManagementUnit

 

 

 

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