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まえがき
年々増大する民間航空交通をより円滑にまた安全に運航して行く基盤として、通信、航法、監視(CNS)システム/交通流管理(ATM)システムがいっそう重要になっている。人工衛星とデータリンクの利用を軸とするFANS(Future Air Navigation System)の構想は、1991年にICAOにより承認されて以来、諸外国での導入準備は活発になっている。航空機メーカーにおいてもB747−400を中心としてB777,MD11等、その開発導入に勢力を注ぎ、新しい航空交通管制に対応しようとしている。運用面においても新しい航空路を想定しての試用実験が行われるなど、世界的規模での実現を目指している。我国においても運輸多目的衛星(MTSAT)の打上げを1999年に控えて将来の航空交通管制システムの充実を図る等、積極的にその開発実現に取り組んでいるところである。かかる環境下においては、航空機メーカーが提供するFANS機上装置を充分に調査研究し、我国の地上システムの構築に適切に反映して、円滑なシステム展開と導入を図ることが肝要と考えられる。
そのために航空振興財団は、運輸省航空局の要請に基づき、日本財団の補助を受けて、「CNS/ATMシステムに対応した機上装置の導入評価研究委員会」を設置して、平成7年度より研究を開始した。
平成8年度は前年度のFANS機上装置の機能およびデータ伝送試験方法についての調査を受けて、FANS機上装置を搭載実装したB747−400機との間で、地上試験システムの機能試験、機上地上装置間のデータ伝送試験を行い、全システムの動作が所要のものであることを確認した。
平成9年3月
(財)航空振興財団
CNS/ATMシステムに対応した機上装置の導入評価研究委員会
委員長東口實

 

 

 

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