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pHについては、試験結果に影響を及ぼすような大きな変動はなかった。
また、DOは、試験開始時にはほぼ飽和状態の8.3mg/lであったが、48時間後の試験終了時には2.2mg/lであり、溶存酸素の約75%が消費されていた。
以上、生分解度試験及び対生物毒性試験の結果は、舶査第52号の判定基準を上回る良好な結果であった。
特に、対生物毒性は、スケレトネマ・コスタツムは5,600ppm以上と、現在市販されている油処理剤と比べて約5倍の添加量でも死滅しないこと、ヒメダカは24,000ppmで試験を打ち切ったが、死亡個体0で半数致死添加量が求められなかったことから、海洋生物に対する負荷の少ない油処理剤を開発することができたと思われる。
3.1.2 高粘度油用油処理剤の要求性能
開発したD−1128は、3.1.1で述べたように広範囲の油種に、また、高粘度油(低温下、100,000cSt程度)にも適用できる油処理剤である。
舶査第52号が定められた時期には、この種の油処理剤が想定されていなかったため、試験用の油を含み評価試験の方法が、新規に開発された製品の実態評価に合わない部分を生じている。
?通常型油処理剤 (舶査第52号による。)
?高濃度型油処理剤 (舶査第52号による。)
?高粘度油用油処理剤 (舶査第52号による。)
?航空機散布用油処理剤 (試験方法について検討中−開発中)
上記の各油処理剤は、それぞれ時代の社会情勢を背景に開発されてきた。
例えば、高濃度型油処理剤は、少量の散布で乳化分散することを目的として、高粘度油用油処理剤は、マリタイム・ガーデニア号のC重油流出事故を契機に高粘度油用として調査研究が進められ、開発された。また、航空機散布用油処理剤は、大規模流出油事故時、さらには、流出事故現場が遠方で、かつ、広い汚染海域を対象として、海洋波による撹拌で乳化分散する処理方法として開発中である。
このため、新規に開発された製品及び高性能を目指して開発中のものに対し、性

 

 

 

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