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2.2 各試験法でのA重油の乳化性能

油処理剤は、各国の海洋環境(水棲生物、リゾート、海浜、海象、気象、潮流等を含む。)を考慮して使用される。このため油処理剤の試験方法については、それぞれの国情に合わせて確立されたものと思われる。しかし、2.1で述べたように問題点も多く、また、文献調査等からでは把握できない点も多々ある。
そこで、各試験法の性能及び問題点等を抽出するために乳化性能試験を行い、検討のための資料を得ることとした。試験法は、表2−1の中から複雑度が低く、かつ、再現性の高いと思われる試験法を3種類選択した。また、簡便で操作が容易な試験法の開発を行うため1種類の新たな試験法についても乳化性能試験を実施した。
性能調査を行う試験法、試験油及び油処理剤は、次のとおりである。
(1)試験法
?舶査第52号 現行試験基準による試験法
?ラボファイナ法 英国のウオーレン・スプリング研究所の試験法
?EPA法 米国の試験法
?MDPC法 新たな試験法
(2)試験油
ラボファイナ法では、500mPas(573cSt)及び2,000mPas(2292cSt)の2種類の試験油を油処理剤タイプ別に使用しているが、本調査研究では、A重油(JIS K 2205(重油)に規定する重油のうち1種1号の規定に適合するもの。)を用いることとした。その性状等は、表2−3のとおりである。

 

 

 

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