日本財団 図書館


 

2.2.5 OTC8258 移動式海洋生産システム:技術的、商業的傾向の分析

Mobile Offshore Production Systems:An Analysis of Technical and Commercial Trends
Bruce Crager,Fred Shumaker and Chuck McCabe,Oceaneering Production Systems

 

概要
急速に拡大している移動式海洋生産システム(MOPS:Mobile Offshore Production System)の業界に関する解析を実施し、MOPSの技術的特徴、MOPSの確保に係わる契約の方法およびオペレーションの実際について、統計的見地から解明する。
既存のまたは作成中のデータベースや発行済の資料に基づき、様々な鉱区への適用についての技術的、商業的要求事項をのべる。また、最近設置された、または建造中のユニットのデータから現在のMOPSの業界の傾向を検討する。MOPSの設計や核となる技術はより複雑となり、大水深海域への設置に向けて技術革新やより高度に開発された構成要素が必要となってきている。MOPS設置の傾向は、FPS0(Floating Production Storage andOffloading)のそれの延長上にあり、より広範囲にわたるコントラクター同士の協力、所有、責任の機会が増える。
MOPSの業界は未だ未成熟であり、様々な技術的解や商業的アレンジが可能であることが特徴的であり、この傾向は21世紀まで繋がっていくと思われる。
緒言
移動式海洋生産システム(MOPS)は、急速に世界中の海洋資源開発市場に広まった。MOPSの採用はここ数年間に拡大し、多くの企業が新規に参入したばかりでなく、技術的進歩や商業的取り扱いの進歩により、現在もさらに拡大を続けている。しかし、急速な進歩がいつも混乱をまねく一方で、幾つかの技術的商業的メリットにおいてMOPS業界の中で定説が出来つつある。もはや海洋オペレーターがMOPSの使用方法を色々と選定する余地はなくなってきている。
解析に先立ち、MOPSの範疇に何が含まれるかを決めておく必要がある。ここでは、移動式海洋生産システムは直接海洋鉱区において生産・処理にかかわるすべての移動式浮体または構造物を含むこととする。このMOPSは、船型の浮体式生産貯蔵積み出しシステム(FPSO)、半潜水式浮体生産システム、ジャッキアップ式生産装置(JPU)を含む。既存の5茎および新造の2基のテンションレグプラットフォーム(TLP)そして計画中の2基のスパーユニットは、一般的に海底固定式プラットフォームの範躊と考えられるので、今回の検討から省くこととした。Hutton鉱区における最初のTLPは、今年で12年経過したが、再設置の可能性はない。オペレータが小型のTLPを選択し始めた場合、MOPSの範躊にいれることとする。
今回の検討では、FPSまたはFPSOに焦点をあてる。すべてのJPUに関する情報を得ることが困難であるので、条件付きでJPUも含めることとする。1978年から1993年までの間に改造された21基のABS船級のJPUをデータベースで確認できる。JPUに関する情報の欠落はこのユニットに関する関心の低さによるものと思われる。JPUは高規格のプロジェクトに広く採用されているわけではなく、MOPSによる石油生産量においてその寄与はごく少ないものである。JPUはしばしば鉱区に設置されるが、再利用の見込みのない固定式プラットフォームとして取り扱われている。
MOPSのタイプと適用
JPUは消えて行く傾向にあるが最初のMOPSであった。この最初のMOPSは、Ekofisk鉱区に1971年に設置された4本足の改造型のJPU(Gulftide)であり、4基の海底坑井から油を生産し、恒久施設が設計建造される間、袖および資金回収ができた。JPU Gulftideは恒久施設が設置される1975年まで残され、その後掘削リグに再利用された。興味深いのは、この最初のMOPSは1987年までメキシコ湾に留めら

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION