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2.2.4 OTC8248 DeepStar III-What's New for 1996

P.R.Hays,ASME,Texaco Inc.,and J.E.Chitwood,ASEME,Chitwood Engineers.

 

経緯
ディープスタープロジェクトは、4年目を向かえ1996年2月より第3フェーズに入っている。本プロジェクトはメキシコ湾の水深1,800メートルまでの生産技術の確立を目的としている。また、石油開発に係わる産業界全体が協力し、メキシコ湾の大水深部開発のため安全かつ経済的に、そして、新規性あるいは独自性のある実現可能な技術の開発が期待されている。
大水深における開発は、様々な技術の集約であり、調査対象も広い。プロジェクトの初期段階では、既存のサブシー技術の延長であったが、全てのフィールド開発には応用仕切れなかった。
その後、プロジェクトにも新しい技術が取り入れられるなど、設備構成も多様化してきた。
この取り組みは、開発技術者がフィールドの特定な条件を克服するため、機器やサービス等に必要なものを1つ1つ最適化するものであった。
第2Aフェーズにおける研究は、TLPs,SPARs,Semisubmersibles等の構造を分類、評価するものであり、これらを理解することで、海底あるいは地上設備の最適化を開発フィールドの条件によって選択していくことを可能にするものであった。
ディープスタープロジェクトは、産業界における共同研究のモデルとなっている。これまで本プロジェクトには、21社を超える石油会社が関係し、現在も引き続き18社の会社が参加している。投資金額として、各オペレーターが350,000ドル負担し、大水深における生産技術全体では20,000,000ドルを超えている。(図1/図2)
ディープスターでは、製造業あるいはサービス業についても綿密な共同関係がある。これまでのフェーズも加えると60社余りの会社が関与した。これらはプロジェクトの目的を達成するためには不可欠なものであった。また、それぞれに何らかの利益をもたらすことができた。
ディープスターが始まった4年前は、メキシコ湾における大水深開発は、非営利的であると考えられていた。これは技術的な研究不足や世界的なリザーバーのポテンシャルが不明確であったことに起因する。しかし、今日この考えは変わり、大水深における探鉱開発の活発化は、会社や国に重要な経済利益をもたらす代表的な産業へと発展した。そして、これらの利益はメキシコ湾だけに限らず、開発実証された技術は、世界中の大水深海域での開発に応用された。
石油会社をはじめとする本プロジェクトに参加あるいは寄与する企業は、技術力を提供することで国際的にも貢献することになった。そして世界の大水深開発の基礎となるプロジェクトとなった訳である。
組織体制
現在進められている第3フェーズは、24ヵ月の期間と約5,000,000ドルの予算が盛り込まれている。そして第3フェーズは、以下の6つの技術的分野から実行されている。
-Regulatory issues
-Flow assurance
-Subsea maintenance
-Vessels,mooring and riser systems
-Drming and completion technology
-Coordination activities
図3には、それぞれの技術分担とプログラム上の関連を示している。SeniorAdvisoryPanel(石油会社がマネージメント)とContributors Advisory Panel(関与会社がマネージメント)は、これまでの組織体制と類似する。それは情報と技術が共有されることを保証し、分散するグループ全体に速やかに伝達されるよう考慮されている。

 

 

 

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