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2.1.2 掘削関連

OTCを取り巻く最近の傾向として、会場中央、一際人目を引くアストロホールのメインスポットを陣取る出展企業の顔ぶれが毎年変わっているのに気付く。一昔前には、あたかも固定的に「NATIONAL社」、「VARCO社」、「SCHLUMBERGER社」、「HALLIBURTON社」などと言った主力メーカーが一様に陣取っていた場所であったが、今年は「AKER社」、「KVAERNER社」、「CATERPILLAR社」、「AMCLYDE社」などの掘削機器メーカー以外の躍進が目立った。相変らず「SCHLUMBERGER社」、「HALLIBURTON社」は、今年もメインスポットで華々しく出展はしていたが、「NATIONAL社」、「VARCO社」については、一歩下がるような、しかも出展規模をやや縮小しての展示であった。また、昨年華々しく出展していた「BAKERグループ」の姿はどうしたことか、今年は見られなかった。こうした出展企業の動きは、隔年出展、つまり毎年の出展を控え2年に1回出展する形を取る企業が増えているためで、また、毎年出展はするものの、その年によって出展規模を変える企業もあり、結果的に、OTC出展に係わる経費の高騰が、企業にこのような形の選択を強いているようである。
いずれも、OTCの花形として、メインスポットで常に脚光をあびていたドップドライブあるいはパイプハンドリングシステムなどのハードメーカーは、その座を譲るように、代わって開発技術をサポートするようなソフトメーカーの勢いを強く感じる展示風景であった。
実際の展示の中から目新しいところを探って見ると、新規性のあるものとして、「MARITIMEHYDRAOULICS社」のRAM−RIGが新技術賞を受賞し、多くの感心が寄せられていた。
ラム(復動油圧シリンダー)による大規模な流体変速機を有するドローワークスに代わる機構を持ったもので、全く新しいコンセプトということで注目されていた。また、早くも「Reading&Bates社」では、その採用を決めたらしい。RAM−RIGの詳細については後述する。
逆に新しいドローワークスということで、「WIRTH杜」のチェーンドライブに変わるギアドライブのドローワークスがあった。KTBのドリリングリグでも採用されているもので、特長として重量の軽減が望め、ノイズ及び振動が少なく、耐久性に富み、チェーンドライブよりも経済的であること、チェーンスペースがないことで2.5〜3.0mの幅で設置が可能となり、非常にコンパクトであることが上げられる。面接触で回転するため重荷重の大深度掘削用のドローワークスとして考えられている。

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ギアドライブドローワークス

 

 

 

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