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報告

本会は昭和46年度以来「造船技術に関する国際会議出席」に対し,日本財団より多額の補助金を下附されているが,以下は補助金により出席した国際会議の出席報告であり。広く会員に報告するとともに,同財団に深く感謝の意を表します。

国際溶接学会(IIW)1996年年次大会出席報告

名誉員藤田譲*
1996年IIW年次大会はハンガリー(ブタペスト)のブタペスト工科大学において,平成8年8月31日(土)〜9月7日(土)に亘り開催された,参加者は34カ国から正式登録者434名,同伴者125名,国際研究集会(Int.Conf.)のみの参加者53名,計612名で盛会であった。日本からは正式参加者70名,同伴者18名,計88名であり,IIWでは過去最大のdelegationであり,多数参加したことに対して組織委から丁重な謝辞があった。
開会式は9月1日午後行われ,主催者側の歓迎の挨拶の後,各賞の授与が行われた,
(1)Estorm賞 IIWへの貢献の大きな者に贈られる賞で,本年は兄会長のMr.Salkin(ベルギー)に贈られた。
(2)Goldschmit-Clemont Prize 溶接に関連する優れた映像作品に与えられる賞で,今回はLinde(独)のLaser切断に関するvideoに贈られ,そのvideoの上映があった。
(3)IIW荒田賞(IIW ARATA AWARD)溶接工学及びその関連分野の基礎研究に対して贈られる賞で,今年(第3回目)は小生が受賞の栄に浴した。
会議は,9月2日,3日の両日に亘り,先ずProf.Dr.VargaによるHoudremont Lecture, “Safety of Welded Modern High Strength Constructions in Particular Bridges”に引き続いて,.Welded Structures in particular Welded Bridges のテーマでInternational Conference(研究集会)が開催され約200名の参加者があった。
会期中3回(8/31,9/4及び9/7)のExecutive Council及び2回(9/1,9/7)のGoverning Councilのほか,IIWの主要な活動である16の技術委員会を含む23のWorking Unitsの会合が,9月4,5,6の3日間に亘り行われ,それぞれ活発な討議及び決議がなされた。
国連行事としては,会期前の8月28日〜30日に亘りUnivesity of Miskole(ハンガリー)において,International Seminar on “Tubular Structures”が,第15技術委員会の主催で行われ,53篇のpaper発表と109名(22ヵ国)の参加者があった(次回は1998年にSingaporeが予定されている),理事会(E.C.)及び評議員会(G.C.)では,年次報告,予算決算の承認等が行われたが,特筆すべき事項としては以下があげられる°
(1)IIWの事務局が再編成され,本年1月以降仏国のMr.BramatがChief Executive(専務理事)として一人で取りしきる(任期5年)。
(2)今回の組織の変更,規則の改正に伴って,定款(constitution)の改訂が必要で,新しい定款がG.C.で承認された。
(3)公式言語は記録も含めて英語のみとなった。
(4)今までIIWの副会長であった藤田が9月7日の評議員会の最後に前会長からpresident medalを首に掛けて渡され,正式にIIWのNew Presidentに就任し,簡単な挨拶を述べた,任期は3年(1996〜1999年)で,その後1年間past presidentを勤める。
(5)vice presidentはMr.Smal1bone(南ア)Mr.Edstrom(スウェーデン)の退任に伴って,Mr.Reynolds(カナダ)とMr.Nurnberg(独)が選任され,またTreasurerはMr.Costa(伊)に代ってMr.Braithwait(英)が選任された。尚,past presidentはMr.EatonからMr.Timmermanに替った。
(6)97年度以降の予算案については,従来の赤字予算から,今回のSecretariatの再編成及び会費未納会員の整理等々の施策によって,一応黒字予算が計上され順調に推移することが期待されている。
最後に,IIWの旗がハンガリーから来年の開催国である米国の代表に手渡され本年度の年次大会を終了した。
尚,今後のE.C.,年次大会の予定は以下の通りである。96年11月オーストラリヤ(シドニー)でRrgional Congress,’97年1月パリで第1回E.C,4月にロスアンヂエルス(米)で第2回E.C.,7月サンフランシスコ(米)で第50回’97年次大会,第51回は’98ハンブルク(独),第52回は'99ポルトガル,第53回は2000年イタリーでの開催が予定されている(また。2004年には日本(大阪)となる予定である)。
(23あるWorking Unitsの活動内容及び発表論文等は紙面の都合で省略した。)

 

*東京理科大学工字部

 

 

 

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