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報告

本会は昭和46年度以来「造船技術に関する国際会議出席」に対し,日本財団より多額の補助金を下附されているが,以下は参加者の一部が補助金により出席した国際会議の出席報告であり,広く会員に報告するとともに,同財団に深く感謝の意を表します。

第21回国際試験水槽会議(21st ITTC)出席報告

試験水槽委員会

1 まえがき

北川弘光
第21回国際試験水槽会議(ITTC)が,1996年9月15日から同月21日までの間,NorwayのBergen及びTrondheimで開催されたので,その概要を報告する。
今回のNorwayでの会議では,開催地が2ヶ所に分かれ,その間をNorway沿岸のクルージングで結び,船上ではワークショップを開催するなど新しい企画が盛り込まれ,その効果もあって,各セクションでの出席率は前回のSan Francisco会議を越えた。しかし,全般的には,ITTC組織機関代表の出席と言うITTCの伝統的な性格,目的から評価すれば,前回に続いて,今回も出席率は芳しいものではなく,今後引き続き十分な審議,検討と対策が必要となるだろう。本会議には260名に招待状が発送され,185名の出席を見た。
会議は,BergenのHotel Norgeにて,9月15日(日)午後の評議会(Advisory Council),続いての理事会(Executive Committee)から始まり,翌16日午前には開会式,午後からはOcean Engineeringのセッションを皮切りに,Seakeeping,Resistancre and Flowの各セッションを行った。17日には,Powering Performanceセッションに始まり,Propulsor, Waterjets(特定課題),Symbols and Terminologyの各セッションまで終了,夕刻にはほぼ全員がCoastal Express“MS Kong Harald”に乗船,船上での夕食を楽しんだ。
穏やかな天候にも恵まれて,船上では,4つのワークショップが開かれ,活発な討議が行われた。ただ,船上と言うことから会場の一つはかなり手狭で,不満を漏らす参加者も少なくなかった。本船は,チャーター船ではなく,このため,途中沿岸の主要な港町には着桟し,乗客及び貨物の荷役が行われる,Alesundでは,3時間の余裕があり,下船して風光明媚な観光地につかの間の楽しみを味わうことができた。
船上2泊の後,船は,19日朝無事Trondheim着,会議メンバーは岸壁から会場のLilletorget Hotelに運ばれ,のんびり朝のコーヒーを味わう暇もなく,簡単な挨拶の後,Cavtationセションが始まった。続いて,High Speed MarineVehicles,Manoeuvrability,Workshop Conclusionsセションを行い,19日の予定を終了した。翌20日は,Perf.in Ice Covered Waters,Quality Controlの2セションにて,テクニカル・セションの全てを終了し,午後は,MARINTEKの水槽見学が行われた。最終日の21日午前には,いわゆる総会が行われ,理事会,評議会,技術委員会のメンバーの候補提案を含む全ての提案について反対意見がないまま総会は終了し,閉会式が執り行われた。次回会議開催国の事国及び中国を代表して,理事会議長に選任された韓国のLee教授から次回ITTCへの参加呼びかけがあり,新メンバーによる初会合を残して全ての議事が終了した。
この様な会議の経過に沿って各セションの概要を以下に紹介する。

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