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財団法人地方自治総合研究所のプロフィール

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21世紀を開く分権改革シンポジウム

 

新たな一歩を踏み出す地方自治総合研究所

 

地方自治総合研究所は、1974年3月、地方自治の発展に深い関心を抱く研究者の協力を得て、日本における地方自治研究の発展に寄与するべく、自治労により、設立されました。そして、1995年12月、これまでに果たしてきた、地方自治研究の戦略拠点のひとつとしての役割をさらに充実させる必要があるという認識、また、自治労に求められている社会貢献の実践をはかるとの認識から、財団法人地方自治総合研究所として、あらたな一歩を踏み出すこととなりました。

 

地方自治総合研究所の創設の目標と20年の成果

 

当研究所は創設当初、4つの目標を掲げてスタートしました。それは、第1に、地方自治に関する本格的な資料センターたること、第2に、地方自治に関する実証的、理論的研究の発展に寄与すること、第3に、各界研究者の地方自治研究を通じた交流の進展に寄与すること、第4に、本格的な地方自治研究者を着成すること、の4点でした。
これらの目標は、20年の歩みの中で、つぎのような実現をみました。第1に、どの大学・研究機関と比較しても遜色のない、地方自治に関する資料室を完備するにいたり、一次資料の提供においても研究着から評価をいただくにいたりました。第2の研究活動面では、地方自治法の前例を見ない基礎的研究と評価される『逐条研究地方自治法』の刊行、地方自治制度の改正解説や地方財政対策の分析など、一次資料や詳細なデータに基づく実証的研究の継続、世界的な地方自治動向の一早い紹介などに代表されるような取り組みがなされ、その成果は150点を越える刊行物と発表されました。また、月刊『自治総研』は地方自治研究者に不可欠の雑誌とまで評価されています。
第3には、行政学、行政法学、政治学、財政学など地方自治研究に欠かせたい各分野の研究者の協力を得て、地方自治研究の総合的研究ネットワークともいうべきものが形成されたことです。研究所が幅広い相談に応じられる力量をもつにいたったことは、このネットワークの形成によるところ大です。第4の人材の育成の面でも、研究所のスタッフのなかから、すでに、4名が大学人として、総合的な見地をもった地方自治の専門家として活躍しています。研究所の設立当初の目標はこのようにほぼ達成することができました。

 

財団法人地方自治総合研究所の新体制

 

財団法人地方自治総合研究所の新体制は、研究面では、佐藤竺所長(山梨学院大学教授)のもと、研究員常勤5名、非常勤5名、事務局3名に陣容を強化されました。連営上機関としては、13名からなる理事会(理事長・後藤森重自治労委員長、副理事長・佐藤竺所長)と12名の評議員会、2名の監事を設置しました。新体制のメンバー構成は、研究者、首長、議員、ジャーナリスト、労働組合役員と幅のある構成となっており、各界からの批判や提言を積極的に取り入れていきたいと考えています。
所内の体制は研究部門と事務部門よりなり、研究部門は理論研究部門、政策研究部門、レファランス部門の3部門より構成されています。
財政面での体制は、自治労より、基本財産3億円の寄付を受け、当初予算も従来より拡充、約2億3.000万円で事業を開始いたしました。

 

95年度事業の概略
95年度の研究事業は、基礎研究、応用研究、政策研究、動向分析の4領域に大きく区分されます。基礎研究傾城については、研究所設立以来の研究プロジェクトとして、地方自治法コンメンタール研究(95年夏『逐条研究地方自治法』(第2巻・第3巻)刊行予定、)地方公務員制度研究、地方財政研究を進めています、応用研究領域としては、分権型福祉社会システム研究、地域政治研究があり、政策研究領域としては、税・財政研究、「ローカルイニシアティブヘの道」の改訂事業があります、また。動向分析傾城としては、地方自治の動向に関する研究、自治体の条例動向に関する研究、地方自治に関する判例動向に関する研究、自治体政治動向に関する研究、地方自治国原動向研究の諸事業を進めています。
出版事業としては、出版社より『逐条研究地方自治法』のほか、古川草高『地方交付税の研究』(「自治総研議書」)、『公共サービスと民間委託』の刊行を予定し、新たに自治総研ブックスの刊行を開始する計画となっています。また、研究所刊行物としては、村上積訳『改訂・フランス地方自治法典」、加藤一明『比較地方自治入門』木佳茂男『ドイツの地方自治』(仮称)を予定しています。交流・教育事業の面では、都市自治体の企画・財政担当者との共同研究の場である企画財政研究会の開催、各地の地方自治研究センターの若手研究員。スタックの相互研修の場である新世代フォーラムなど、従来から進めてきた研究交流会を開催し、ひろく一般に参加を求める自治総研セミナーの開催を予定しています。総研セミナーは本年で11回を数えますが、5月下旬に3日間、「福祉社会と地方政府の役割」のテーマで各分野の研究者から論義をいただくこととなっています。また、海外の研究者との研究交流事業を始める準備を進めています。
この他、資料室の充実を行って、研究者・市民の閲覧に供するほか、各種問い合わせへの対応、各種学習会・講座への講師派遣を行います。

 

再出発と新たな目標

 

自治労の付属機関から独立し、新たに財団法人として再出発した研究所の目標は、従来から掲げてきた4つの目標に政策的研究の充実を加え、分権時代の地方自治研究の代表的戦略拠点たらんとするものです。
研究所は、自立した市民が生き生きとした地域を創造する時代として21世紀を構想します、この21世紀のグランドデザインを描き、その中心に市民自治と地方分権を置くことが、これからの研究所の目標です。

 

 

 

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