日本財団 図書館


 

1.日本大学法学部関係資料

 

管理行政学科専門科目の学習

 

1.管理行政学科の目的
管理行政学科は、1964年(昭和39年)以来30年の歴史を有し、その創設目的にしたがって着実な歩みをすすめ、卒業生も六千余名を数える。その卒業生は、官公庁や民間の会社などで、特に指導的立場にあって広い視野を持っ卓越した人材として、各方面から多くの期待を集めている。
管理行政学科の名称は、経営や管理(マネジメント)の知識ならびに技術が、民間企業や行政体での効率的な業務遂行に欠かせない要求となっていることに応えて、経営・管理科目を専門科目として配列し、官民いずれの進路を選んでも指導力を発揮できることを表している。
法学部に管理行政学科が設置された目的は、第1に、法律学、経済学、会計学等の学問を基礎として、法務・人事・労務部門と財務ならびに事務管理の専門知識を、他学科、他学部にみない充実した方法で提供し、有能なビジネスマンならびに経営者を社会に送り出すことである。第2に、これらの民間企業の優れた経営管理技術を取り入れ。効率的な行政を行う官公庁のスタッフてある公務員を養成することである。すなわち、管理行政学科の目的は、官民双方にわたる優秀な人材の養成にある。
また、近年における国際化の進展は、経済大国、貿易立国としての日本の国際社会に対する責任と貢献の重要性を増大させ、わが国における高等教育機関としての大学教育において国際ビジネスマンならびに国際公務員の資質ある人材育成を急務のこととしている。管理行政学科は、このような時代の要望に迅速に対応する人材教育を、その使命としている。

 

2.管理行政学科の特色
管理行政学科の特色は、専門科目に関して、必修科目がなく各目が自らのコースを選択し、そして学習の目的に沿った形で学習出来るようになっていることである。
必修科目が廃止されているのは、学生が自ら学びたい学問を選択し、自己の学習プログラムを作成し、それにもとづいて4年間勉学するためである。これは、学生が将来志望する職業に必要な学問、または真に興味をもつ学問を、意欲的に履修し勉学してもらうことを意図しているからである。したがって学生には、必修単位取得のために勉学するという消極的姿勢ではなく、自分にとり必要であり。また関心がある学問を意欲的に勉学するという積極的姿勢が、期待されている。
また、法学部の他学科に設置されている専門科目も自分の志望する職業に必要であれば、あるいは真に学びたい学問であれば、自由に履修することができ、かつ単位も認定される。このように、管理行政学科では、学生の自由な意思にもとづき作成した学習プログラムによって、4年間の専門的・計画的学習ができるよう配慮されている。しかし、反面、学生にとっては、これまでの与えられたカリキュラムを必修科目にしたがって履修し学習し、単位を取得していく方法に比べると、その自己責任・自己負担は、非常に大きくなっている。すなわち、4年間の大学生活が、真に有意義でかつ充実したものになるか否かは、すべて学生自身にかかっているのである。
しかし、高校を卒業して大学に入学したばかりの学生に、自己の学習プログラムの作成や職業選択などの価値判断をまかせるには、あまりにも知識が不足するであろう。そのため管理行政学科では、その価値判断のための多くの情報を学生に提供している。例えば入学時の新入生ガイダンスにおいて、学習プログラムのモデル、就職、公務員試験、各種資格試験などの詳細な情報を提供し、その後、専任教員によるきめ細かいアドバイス、さらに、第2学年の管理コースと行政コースの選択時におけるコース決定のための詳細な情報の提供ならびにガイダンスなどが行われる。しかし、最終的な意思決定者は学生自身であるから、ガイダンスなどに積極的に参加し、教員にも積極的に相談に訪れることが必要である。
管理行政学科は、むしろ経済学部、経営学部にあるべきだと思われるかもしれないが、組織体の効率的運営の管理研究のためには法律学、経済学、会計学を基礎とした専門知識の蓄積が、必要なのである。管理行政学科は、それが法学部に設置された使命を認識し、科学的管理および行政管理のノウハウの体系的学習を提供するものである。

 

3.管理行政学科の学習
民間企業志望では、全学年を通じて経営学ならびに管理研究を体系的に学習し、企業経営の”科学的管理”技術を習得しなければならない。
公務員志望では、公務員試験(国家・地方)に合格することを当然の目標とし、そのための効率的な学習をしなければならない。
第1学年の総合科目の履修にあたる基礎教育課程では、将来の志望職業に備えて、深い教養を養い、高遭なる人格形成を目指し、今日の国際化に対応できる素地を整えることが大切である。また、「統計学」など数学系の科目は、情報化社会・OA化時代の即戦力となる基礎知識であるから、専門科目の事務管理、情報処理の履修にそなえて是非とも学習しておくべきであろう。さらに、第1学年に配置されている専門科目の「簿記原理」と「経営掌」ならびに「憲法」は、第2学年以降に学ぶすべての専門科目の基礎となる重要な科目であるの

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION