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表9−1 都道府県職員の市町村への派遣状況(1982年度)

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*1助役の平均年数は3年5ヵ月。
*2収入役の平均年数は7年。
*3一般分野のうち2名は県負担(相互交流)。
*4助役の平均年数は3年。
回答のあった都道府県の集計(都市経営総合研究所調べ)。
出所)辻山幸宣「県・市町村関係と自治体職員」『月刊自治研』第303号(1984年9月)より引用。

 

がよく知られているが、これなどは、中央省庁から都道府県への垂直的行政統制として説明されるべきであろう。しかし、他方で、都道府県が新規の事業や大規模プロジェクトを展開する場合に、しばしば関係省庁からの人材派遣を要請するケースも知られており、こうしたケースについては、村松の説明の方がむしろ妥当性をもつ。もっとも、「天下り」の垂直的行政統制の側面を強調する立場からすれば、このような、地方の側が積極的に中央省庁の人材派遣を要請する場合にしても、なるほど表面的には地方自治体が主体的に派遣を要請しているかもしれないが、問題とすべきは、派遣が「押し付け」であるか地方の発意によるかではなく、むしろ、地方が事業を展開するに際して中央の行財政資源に大きく依存しなければならない状況にあり、出身省庁に顔の効く「天下り官僚」に頼らざるをえない中央集権構造こそが問題なのだということになるのかもしれない。これに対し、村松の場合、中央に行財政資源が集中するのは現代国家として不可避的な現象なのであるから、地方が、その資源への有利なアクセスを確保すべく中央官僚を受け入れるのは、地方

 

 

 

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