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カナリー諸島
 
(1)一般事情
 
カナリー諸島は、アフリカ北西岸のモロッコの西方の大西洋上に散在する13の火山諸島から成り、15世紀以来スペインの直轄領となっている。
総面積は7,273平方キロ、人口は約145万人(81年調)であるが、住民のいるのはグランカナリア、テネリフェ、ラパルマ、イエロなどの7島だけで、その他は無人島である。
カナリア諸島は温和な気候と火山土壌のため、地味肥沃で種々の農産物の栽培に適し、バナナ、砂糖きび、トマト、じゃがいもなどの野菜や果物を生産している。とくにトマト、バナナなどは主要農産物として輸出されている。
鉱物資源としては、既に燐鉱石の有望な鉱床が発見されており、石油についても近年探査活動が続けられている。
カナリア諸島は、スペインにとって西半球の新大陸との交通上、きわめて重要な中継地である。
また、カナリア諸島は自由港地域となっているので、スぺインの国際貿易上、重要な役割を果たしている。この自由港地域を利用して、スペイン政府は石油精製、化学工業、タバコ製造在どの工場誘致、工業化に力を入れており、既にビール、モルト製造、タバコ製造、木材加工業、印刷業、化学工業、建設業などがカナリー諸島における重要産業として発展している。
さらにカナリーにおける特に重要な工業として石油精油業がある。これは、カナリーが自由港であり、また石油関係は免税地区とされているため、中継港、漁業基地として各種船舶、漁船の出入が盛んであり、従ってバンカー・オイル供給地としての地の利を得ているからである。現在、テネリフェには、Compania Espanola de Petroleos,S.A.の大規模な精油所がある。
貿易関係は、カナリーは自由港であるため外国との貿易バランスは入超であるが、スペイン本国およびスペイン領アフリカとのバランスは出超を続けて
 

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