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ベ ル ギ ー

 
(1)一般事情
 
ベルギーは、欧州大陸の北西部に位置し、北はオランダ、東はルクセンブルグとドイツ、南はフランスと、それぞれ国境を接し、西は北海を隔てて英国と向かい合っている。
国土面積は30,519平方キロ(日本の約12分の1)で、わが国の関東地方よりもやや小さく、連邦制から成る立憲君主国である。
人種的には、ゲルマン系のフラマン民族(オランダ語を使用)とラテン系のワロン民族(フランス語を使用)から成り、人種、言語の全く異なった民族が北部と南部に分かれて居住する多民族国家である。
住民の約57%はオランダ語、約42%はフランス語、約0.6%はドイツ語を、それぞれ使用しており、二つの国語(オランダ語とフランス語)が公用語になっている。
人口は、91年3月末現在9,978,700人で、人口密度は1平方キロ当り327人で、オランダ(440人)と並び世界最大である。
ベルギーは、古くから欧州における商工業の繁栄した地域にあり、国内市場が狭小なことから、自由貿易を国是とし、自由市場の拡大を目指す欧州共同体(EC)の積極的な推進を政策としている。EC本部はベルギーの首都ブリュッセル(人口96万人)にある。
古くから国際交通の要衝として栄えたベルギーは、第2次大戦後、豊富な石炭を背景に逸早く復興を果した。ECの設立に当っては、国士が極めて狭小なこと、国民総生産(GNP)の約50%を貿易に依存していることなどもあって、ベルギー経済にとっては自由貿易市場の拡大は不可欠との観点から、極めて積極的な推進に努力している。
ECの創立以来、ベルギーは米国を初めとする諸外国からの投資が活発化して、石炭、鉄鋼、繊維といった伝統的な主力産業の衰退を防止することが出来た。しかし、二度に亘る石油危機以降、外国からの投資が停滞し、国内産業構造の遅
 
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