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費用で取得しようとするためである。
(E)取引ルート
造船業は、オランダの誇る伝統産業の一つであることからして、オランダ船主の中には造船事情に精通しているものが多い。それ故、通常一遍のPR活動では効果がない。
従って、常に船主との直接接触をする機会をつくるよう努め、わが国における最近の建造船に関する技術的な情報、資料などを提供し、日本造船業の長所をPRすることが、取引きへの確実なルートになる。
 
(7)競争相手国との競争条件の比較
 
(A)延払い、船価、品質等条件の比較
オランダが従来、外国から輸入した船舶は、一般貨物船、オイル・タンカーを初め、ケミカル・タンカー、バルク・キャリア、冷凍船、コンテナ船、LGキャリア、客船など頗る多岐にわたっている。
これらの建造は、旧西独をはじめ、フランス、イタリア、ノルウェー、スウェーデン、ポーランド、デンマーク、英国、日本など強力な先進造船国を網羅している。
従って品質は、例えばLPGはフランス、ケミカル・タンカーはデンマーク、冷凍船はイタリア、大型タンカーは日本というように、各造船国の技術その他の長所をよく知って発注しているので、経験や実績の多いこれら建造国間に優劣の差は少ない。
船価の点では、わが国がやや優位にある。
支払いは、現金決済または国際慣習の線での延払いが条件になっているので、各国間に大差はない。
(B)輸出対策
競争相手諸国は、関税面その他でわが国よりも遥かに有利な立場にあり、それに地理的条件を加えれば、船価でのデメリットもカバーすることができるのものと
 
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