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ハンガリー



(1)一般事情



ハンガリーは、欧州のほぼ中央部に位置し、北は旧チェコスロバキア、束はウクライナおよびルーマニア、南は旧ユーゴスラビア、西はオーストリアおよび旧ユーゴスラビアと接した内陸国である。

国土面積は93,030平方km(日本の0.25倍)、人口は1,033万7,000人(92年1月現在)で、人口密度は1平方km当り111.1人となっている。首都をブタペスト(人口199.2万人)に置く。

海抜200メートル以下の低地が国土全体の84%を占め、200〜400メートルが14%、400メートル以上は僅か2%を占めているに過ぎない。

ドナウ川が417kmに亘って国を縦断した形で流れており、これに平行して東部でティサ川が598kmの距離を流れている。

ドナウ川からルーマニア国境までの平地は大平原と呼ばれ、国土の大半(5万800平方km)を占めている。国土の54%は可耕地、18%は森林地帯、14%は牧場・草原となっている。

気候は冬が長く、厳しく、マイナス10℃以下となることもある。首都ブタペストの平均気温は一3℃(27°F)から28℃(82°F)の間である。 言語は、ハンガリー語(マジャール語系)が公用語として使用されている。民族は、ハンガリー人96.6%、ドイツ人1.6%、スロバキア人1.1%、南スラブ人0.3%、ルーマニア人0.2%、その他0.2%となっている。

宗教は、住民の多くはキリスト教信徒で、ローマ・カトリック派(68%)、カルビン派(20%)、ルーテル派(5%)、その他(7%)となっている。

ハンガリーは、国土の3分の2が肥沃な土地で農業に適しているため、東欧の穀倉といわれ、農産品は貴重な外貨獲得源となっている。

旧ソ連主導による重化学工業化を推進してきた結果、国内総生産(GDP)に占める農業の比率は、鉱工業の約39.2%(91年)に次ぐ11.6%(同)に過ぎないが、就業者数は鉱工業の36.9%(92年)に次いで約13.9%を占める重要産業となってお





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