日本財団 図書館


(9)評価

 ブラジルの1994年末における保有船腹量は565隻、528万総トンであり、ラテン・アメリカの中では第1位であるが、1987年以来年々減少すると共に老朽化も進み平均船齢22年となっている。
 政府は、輸出入貨物の海上輸送には自国船優先主義をとっており、自国商船隊の強化に努めているが、海運の長期低迷、ブラジル経済の混乱により海運会社の資金力の低下、投資意欲の減少などに加えて建造コストの上昇等により、船腹拡充計画は期待したほどには実施されていない。
 これら船舶の建造は国営のCCN社、外資系のIVI祉(Industrias Verolme−Ishibras)など国内造船所を中心に行われているが、IVI社1社だけの建造設備でも6基、130万DWの能力を有しており、国内需要を上回る状況である。
 なお、同国の建造実績は1992年が10隻、268,000G/T,93年が10隻、312,000G/T,94年が10隻304,000G/Tで殆ど稼働していない。
 また、わが国からの同国への船舶輸出も1989年の3,900G/Tドレッジャー以来とだえており、造船国である同国は輸出市場としてあまり期待できない。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION