ブラジルの海運業の発展は、1956年に経済社会開発5ヵ年計画が実施され、政府の強力な援助を得て、ブラジル海運・造船業の近代化が開始されてからである。
政府の積極的な開発計画のもとでブラジル海運は現在では、ラテン・アメリカの中では便宜置籍国のパナマを除けば、第1位の船腹量(94年528万G/T)を保有し、第2位のアルゼンチン(同72万G/T)を大きく引き離している。
しかし、輸出入貿易のアンバランスに起因する片荷輸送による効率の悪さ、国内船主の船舶整備の遅れなどによる外国用船への依存率の高さ、自国船による積取比率の低さなど、ブラジル海運界の抱える問題は大きい。
ブラジルの主な海運会社とその保有船舶は、次の通りである。