ペルーの太平洋沿岸、特にエクアドルとの国境附近の沖合は、北からの暖流と南からの寒流が合流しているため、アンチョビー、いわし、さば等の豊富な水産資源に恵まれた好漁場である。
しかし、海面水温の上昇による不漁の年もある。特にアンチョビーは魚粉の原料であるので、漁獲量の変動が魚粉工場の操業率にも影響を及ぼしている。
従って、アンチョビーへの依存度を引き下げるため、他の魚種の漁獲量の拡大が、水産政策の重要な課題となっており、最近ではヘイク等の底魚、まぐろ、かじき、いか等、商品価値の高い魚種を対象とした操業も行われている。
ペルーの漁獲量は、海洋魚が内水魚を大幅に上回っている。
例えば、1991年の漁獲量は海洋魚が約691万トン、内水魚が約3万トンとなっている。
魚種別の漁獲量は、1990〜91年にかけてはイワシが最も多く、90年が約327万トン、91年が約340万トン、次いでアンチョビーが90年約293万トン、91年約308万トンとなっている。