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 税率は、贅沢品や国産できる消費財は高く、非国産資本財は低い。例えば、工作機械の多くは1%に過ぎないのに対し、砂糖などは高率が課せられている。

 関税引き下げの方向にある品目もあるが、最近の石油減収により、状況は変化している。また、最近の傾向としては、重量税を新たに課す例が増えている。

 また、政府留保として政府が独占的に輸入を行なう品目がある。実質的に輸入禁止に近いが、絶対的供給不足や緊急輸入の必要を政府が認めた場合、政府が第三者に輸入権を与えることができる。これらのうちには、自動車用タイヤ、完成自動車、タンカー(1,000トン以下を除く)、漁船、その他の船舶(軍艦、スポーツ・レクリエーション用、タンカー、漁船以外)、曳船、特殊船舶などが含まれる。

 前述のように、従来国内産業能率向上、消費者保護の観点から関税引き下げ、輸入自由化の方向をとってきたが、最近では状勢が変化し、一部の品目では関税が引き上げられる傾向にある。関税方式はCIF価格べ一スとする従価税である。ただし、一部の品目に対しては、従量税あるいは重量税と従価税を組み合わせた複合税が適用される。

 なお、すべての輸入品に対して5%の税関手数料が徴収される(郵便小包の場合は2%)。航空貨物の場合は更に2%の追加徴収がされる。

 わが国とベネズエラとの貿易は、わが国の恒常的な大幅出超で推移しているが、これに対し現在とくに対日差別はなく、今のところ問題になるものはない。

 しかし、将来、わが国の主力輸出品である鉄鋼製品や輸送機械の国産化強化と相い俟って、これらの品目を中心に輸入を規制する方針を打ち出してくる可能性はある。

(C)輸入資金の調達状況

 ベネズエラにおける船舶輸入は、主としてCAVN(国営海運会社)が行なっているが、これに必要な資金は政府予算に計上されているので、支払い外貨の調達には問題はない。

 また、民間で輸入する場合も、船腹の拡充は国策に沿って行なわれるので、輸入ライセンスも容易に受けられ、かつ、支払いのための外貨は金額いかんに拘ら

 

 

 

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