ブラジルは、将来の進出が予想される国であり、LAIA(ラテンアメリカ統合連合)加盟国の立場を利用して、新興造船国ブラジルのシェアを拡大すべく努力している。
これらに対して、先進造船国もコロンビアの将来の発展を期して、経済、技術、企業進出などの面で援助・協力を図っている。
わが国は、これら諸国と比べ、貿易面では日本側の大幅出超が続いており、また対コロンビア輸出船実測に乏しいなど、悪条件の下にある。従って、これを改善するためには、最近コロンビアの親日感が高まりつつあるのを好機として、同国が期待している資金と技術の両面で積極的に協力し、進出を図ることが必要である。
(C)コロンビアに対する歴史的、経済的なつながり
スペインが侵入する以前のコロンビアは、チブチャ(Chibucha)族を主体とするインディオの国であった。
1500年にスペイン人アロンソ・デ・オヘダ(Alonso de Ojeda)がカルタヘナに上陸し、スペイン人による最初の植民地を作ったが、インディオの襲撃を受けて敗退した。
1525年に再びスペインの植民地がサンタ・マルタに建設され、1536年にサンタ・マルタから南下し、チブチャ族の首都ボゴタに侵入した。
他方、エクアドルとベネズエラの二方面から他のスペイン人部隊がコロンビアに侵入し、ボゴタに到着し、かくしてスペインによる本格的なコロンビア支配が始まった。1718年にボゴタに副王が置かれ、ベネズエラと併せてコロンビアを統治した。
18世紀末頃から、南米のスペイン植民地ではスペインからの独立運動が活発化し、コロンビアでも民衆の独立運動が激化した。
しかし、独立運動はスペイン政府軍によって弾圧され、多くの首謀者が犠牲となった。
1819年に自由の父と仰がれたシモン・ボリバル(Simon Bolivar)将軍の率いる解放軍がボゴタ近隣のボカヤ平原でスペイン王朝軍をせん滅し、現在のコロンビ