岸の,網漁民によるカヌー、丸木船などの一本釣、刺網、延縄などの伝統的漁法であり、マグロ、アラ、タイ、サワラ、ボラ、イワシなどを漁獲している。
水産物の加工は、国内消費用と海外消費用の一次加工が僅かに行なわれているに過ぎない。淡水魚は生鮮品か乾燥品で、海洋魚は生または冷凍が大部分を占め、乾燥、塩蔵、燻製、缶詰、魚粉、魚油が僅かに製品化されている。
流通は、陸路によるトラック輸送のほか、空輸も行なわれている。しかし、市場が未発達で、首都ボゴタでも中央市場がなく、また冷凍品の輸送機関もない。
カリブ海側における商業的漁業基地は、カルタヘナ、バランキーヤ、サンタ・マルタなどであるが、それらの基地に水揚げされるのは殆とがエビを中心したもので、その多くは欧米、日本向けに輸出されている。国内で消費されている魚種は少なく、その量も少ない。
国内消費地は、殆とが漁港周辺の都市である。内陸部の都市は輸送距離が長く、険しい山脈が立ちはだかっているため、航空輸送を必要とし、一部の高級な魚類だけが少量輸送されているに過ぎない。
(B)漁業開発計画
コロンビア政府は、国民の動物性蛋白源として魚食の昔及、漁集への雇用の増大と漁民の経済生活の向上、水産物の海外輸出による外貨獲得などを目的として、漁業開発振興の施策を講じている。その為の機関としてIFI(産業開発公社)があり、IFIを通じて、太平洋側ではCopescol水産会社、カリブ海側ではVikingos水産会社などに資本投資を行なうほか、INDERENA(天然資源開発公社)、IFIなどを通じて沿岸漁業の振興に努力しており、特にエビ輸出では実績をあげている。
また、政府は各漁業墓地における漁業施設の整備拡充、冷凍倉庫、加工工場、缶詰工場などの増設を計画して実施すると共に、漁船の増強と近代化、最新漁業技術の導入に力を入れ、増産に努力している。
(C)漁船保有状況
コロンビアの漁船は、従来からカヌーや投網を使用する小型の木造船は多数あるが、鋼造船は少なく、太平洋側では50〜60トン級の漁船が100隻前後、カリブ海側では10トン前後の小型鋼造漁船が50隻前後稼働しているに過ぎない。