以上のほか、コロンビアには金、エメラルド、コカイン(麻薬)などの不法取引(密輸出)が活発化しており、コカインの密輸出だけでも89年には10僚ドルないし15億ドルの外貨収入を獲得したものと推定されている。
89年末現在、コロンビアの公的対外債務費高は、前年同期の167億ドルから133億ドルに縮小した。90年中の借款が26億4,000万ドル、返済が18億3,000万ドルと推定されるが、コロンビア政府としては石炭や石油開発プロジェクトによる外債収入で返済は可能としている。
コロンビアは、中南米主要目のなかで唯一債務の繰り延べを要請していない国として、国際的な信頼も厚く、混迷の度を深める他の中南米諸国と比へれば、相対的に経済は順調に推移しているといえる。
89年のインフレ率収年平均で25.8%(前年28%)に低下し、失業率も9%(前年10%)程度に改善された。