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 野菜等の輸出用農産物は、近代的な大規模農法の導入等により生産性を高めており、これら農産物の生産状況によってはリーファーの需要も見込めるであろう。
 一方、漁業については大西洋という好漁場に面し、また、同国政府も漁業振興に積極的であることから、漁獲量、輪出量ともに年々着実な伸びを示している。漁船の拡充も着実に行われており、現在の漁業振興計画は1988年〜92年の4年間に沿岸漁船323隻、遠洋漁船160隻の調達を計画している模様である。
 モロッコ政府は、国際収支の恒常的な赤字や約167億ドルといわれる対外累積債務等発展途上国に共通の問題を抱えているが、政局は比較的安定しており、また、非同盟、現実穏健路線を堅持し、海外からの援助も積極的に受け入れるなど経済発展に努めている。斯業としては、同国と密接な関係にある旧宗主国のフランスやスペインをはじめとする欧州造船諸国に対抗するために、継続的な調査、研究およびPR活動等を実施して、同国市場の開拓に努める必要があろう。

 

 

 

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