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(C)需要状況

 サウジアラビアの船舶保有量をみると、83年の435隻(5,296,798G/T)のピークを境とし、その後年々下降傾向を辿り、88年には320隻(2,269,398G/T)に減少した。この要因は、オイル・タンカー、一般貨物船などの過剰船腹(主に老朽船)を廃棄したことによる。
 事実、オイル・タンカーについては、83年の94隻(2,892,932G/T)が88年の68隻(1,278,293G/T)、一般貨物船は83年の110隻(667,096G/T)が88年にはその約半数の50隻(311,694G/T)へと、それぞれ大幅に減少した。
 従って、この期間にはオイル・タンカーや一般貨物船の新需要は、殆ど見られなかった。
 一方、国内工業化の推進に伴い、ケミカル・タンカー7隻(78,384G/T)、オア/バルク/オイル・キャリア1隻(143,962G/T)、オア/バルク・キャリア1隻(26,275G/T)、コンテナ船1隻(32,403G/T)、補給船9隻(5,341G/T)、曳船33隻(15,896G/T)、調査船2隻(2,509G/T)などが増強された。
 漁船関係では、83年の7隻(1,606G/T)が88年末までに16隻(3,500G/T)へと拡充されているが、アラビア湾内の漁業資源が減少傾向にあることからして、今後この海域におけるエビ・トロール船の新需要は、期待薄と思われる。

(D)船腹拡充計画

 サウジアラビアは、第2次開発計副こ引き続き、第3次開発5ヵ年計画(81〜85年度)の実施により、ジュバイルとヤンブーの新港の開設を含む大規模な港湾施設の近代化、拡充、整備を推進し、これに必要とする作業船など港湾用小型船舶をはじめ、中小型貨物船、タンカー等の船腹増強が行われた。

 特に第3次計画では、インフラ部門の整備は、概ね目標を達成したことから、生産部門の本格的育成に重点が置かれた。このため、石油精製、石油化学を中心とした大規模工業化プロジェクトが実施され、これら製品輸出を目指して、ケミカル・タンカー、液化ガス運搬船、その他コンテナ船などの海外発注が行われた。

 現行第4次計画(86〜90年度)では、第3次計画の継続案件として、原油より

 

 

 

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