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漁船もあるが、外航貨物船の修理は殆ど行っていない。新造船については、スリップウェーの規模からして、同社はパプアニューギニアでは最大の建造能カを備えているが、今後の見通しでも余り期待できない。
修繕の分野でも、内航船の隻数が減り大型化する傾向にあるので、現在の800G/T(長さ50m)のスリップウェー以外に、長さ100m程度の船舶の収容可能な浮ドックを購入し、修繕設備の近代化を図る計画がある。

(5) 漁業事情

(A) 漁業の実態

パプアニューギニアは600有余の島々からなり、8,300キロに及ぶ海岸線に恵まれ、近海は水産資源が豊富である。また、フライ川、セピク川のような大きな川があり、河川の魚類も豊富である。全人口348万人(87年調)のうち、60万人は海岸または河川の近辺に居住しており、漁貝類は重要な食料源となっている。
沿岸・河川の小規模漁業は、カヌーまたは小型ボートに船外機を装備した10m内外のものにより、地引網、追い込み網、刺し網などを使って、たい、はた、ひめじ等を漁獲している。これらは全て、自家消費またはローカル市場での取引きに回される。
大規模漁業は、主としてトロール漁業によって行われており、主な漁獲はえびである。
えびトロール漁業6社のうち、120〜150G/Tの大型トロール船によるものが3社、40〜50G/Tの小型トロール船によるものが3社ある。
大規模漁業により漁獲されたえび、まぐろ、きな等は輸出に向けられているが、水産物の全輸出に占める割合は1%程度に過ぎない。

 

 

 

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