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(C)需要状況

 スリランカの現有商船隊、特に一般貨物船は1960年代建造の老朽船が多く、これら非能率な不経済船の代替、増強のため新船建造の意欲はあるが、問題は外貨不足で、これは外貨の援助、長期クレジットの供与に依存する以外には、実現が難しいとされている。
 スリランカで唯一の国営外航定期船会社のセイロン海運公社(CSC)の財務状況も最近は赤字に転落し、厳しい運営に迫られている。
 従って、将来、スリランカの経済事情が好転し、荷動きが活発化すれば、船舶需要も具体化するものと思われる

(D)船腹拡充計画

 スリランカ商船隊は、海外からの資金援助もしくは国内融資により、100G/丁以上の鋼造船については1988年までに過去最大の111隻(約41万G/T)に拡充された。
 その後、国内における民族紛争および反政府活動の激化に伴う社会不安の増大、経済活動の停滞などにより、国内経済事情の悪化をもたらした。
 その結果、保有船腹量についても、数年前の1988年(111隻、約41万G/T)と比べ、93年は56隻(約29万G/T)と大幅に減少しており、今後の増強・拡充についても、現在のところ具体的な計画はなく、当分は期待できそうもない。

(3)港湾事情

 スリランカは、古くから東西の海上交通の要衝として知られていたが、コロンボ港が欧州海運国にその重要性を認められるようになったのは、1505年にポルトガル人が来島してからのことである。
 その後、オランダや英国の統治下で商港としての整備が行われ、1972年の独立後本格的な港湾開発計画が実施され、それまでスリランカの中心的な商業港であったゴール港に代わり、欧州とアジアを結ぶ国際海上輸送のインド洋上における最も重要な中継貿易港として、整備拡充されてきた。

 

 

 

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