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行われているが、わが国からも大量の船舶が輸出されている。
 オランダはインドネシアをその支配下に置いていたので別として、欧州では西独、フランス、英国、また最近では韓国や台湾の進出が目立っており、わが国の強力な競争相手国となっている。
 西独およびフランスは長年にわたって、インドネシアを中心とする東南アジア地域における海洋、内水路、気象、資源などに関する各種の精密な研究・調査を行っているので、これが船舶の設計に貴重な資料となっている。
 わが国は、韓国の低船価は別として、建造・技術・船価、支払条件、納期などについては、これら競争相手国との問に特に優劣はない。

 (B)輸出対策

 インドネシアにとって日本は、輸出入とも最大の貿易相手国であり、また経済援助の面でも、インドネシアは日本の最大の援助対象国となっている。
 日本の対インドネシア経済協力は、88年度の円借款、無償資金協力および技術協力の合計が1,993億円(前年度は1,043億円)にも達している。
 従って、インドネシアに対する輸出対策としては、わが国は各国に比べ最大の努力を払っている。

 (C)インドネシアに対する歴史的、経済的なつながり

 わが国とインドネシアは、1963年3月発効の友好通商条約によって、入国、居住、貿易などについて相互に最恵国待遇が与えられている。
 両国間の貿易は、インドネシア原油、液化天然ガス(LNG)などの一次産品を供給し、日本は部品、中間財、資本財を供給するという構造であり、伝統的に日本側の大幅な入超が続いている。
 89年の日本の対インドネシア輸出総額は33億100万ドル、輸入総額は110億2,100万ドルで、入超幅は77億2,000万ドルとなり、前年より更に12億ドル以上拡大した。

 

 

 

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