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 農業は、零細経営の農家と大規模のプランテーションが並存し、農家は主食の米を中心にカサバ、トウモロコシなどと共に、換金作物(ゴム、ココナツなど)を生産している。プランテーションは、ゴム、コーヒー豆、茶、タバコ、油ヤシ、ココナツ、砂糖キビなどを大規模に生産し、国営農園が主体である。
 天然ゴムは、86年の生産が102万トン(85年106万トン)に達しており、インドネシアはマレーシアに次いで、世界第2位の大産出国となっている。ゴムの輸出収入は、国際価格の上昇もあって、87年には9億6,100万ドル(前年は7億1,300万ドル)を記録した。
 また、インドネシアは世界最大のコーヒー輸出国の一つであり、87年のコーヒー産出量は40万トン(前年38万トン)を超えている。
 米の収穫高は、86年には3,928万トン(前年3,903万トン)に達しており、国民の重要な主食である米の自給が可能となった。
 インドネシアは、国土の約3分の2が熱帯雨林で占めている。主要森林地帯は、カリマンタン島、スマトラ島、イリアンジャヤ島の3島で、全体の80%を占めている。
 本格的な森林開発が開始されて以来、20数年となるが、急速な荒廃が各地でみられ、森林保護策の強化が推進されつつある。政府は80年以降、原木(未加工木材)の輸出規制を実施し、合板産業の育成に力を入れている。87年の木材輸出額は23億3,300万ドルで、このうち合板輸出は前年比64.7%増の20億ドルを記録し、政府の計画どおり、世界最大の合板輸出国となった。
 インドネシアの主要鉱物資源は石油で、採掘可能な埋蔵量は86年現在、90億バレルと確認されている。
 原油産出量は、77年の6億1,500万バレルをピークとし、87年、88年はOPECの生産規制協定により、それぞれ4億7,900万バレル、4億2,300万バレルに減少した。
 天然ガスの産出量は、87年では1兆7,310万立方フィートであるが、その51%は液化天然ガス(LNG)として利用されている。
 現在、インドネシアは世界最大のLNG輸出国であり、88年のLNG輸出は1,910万トン(前年比8.5%増)で、その大半は日本向けである。近年輸出市場多角化政策を

 

 

 

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