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 恒常的に赤字の続く対日貿易は、88年には輸出68億2,800万シンガポール・ドル(前年比25%増)、輸入193億6,500万シンガポール・ドル(38%増)となり、シンガポール側の赤字幅は87年の85億8,000万シンガポール・ドルから125億3,700万ドルへと更に拡大した。
 88年の対日輸入の品目別構成をみると、最大品目である機械・輸送機械(66.9%増、43%増)の伸び率が最も高かった。その他の品目もそれぞれ前年比25%〜40%増となっている。日本からの投資増が資本財などの対日輸入増につながる構造となっていることと、一般消費財を中心に日本品に対する評価が圧倒的に高いこと、シンガポールにおける日系企業による商業ネットワークが拡大していることなどから、今後とも対日輸入は増加するものとみられる。
 一方、対日輸出をみると、地場輸出の主要品目は、石油製品、電子・電気機器、通信機器、食料品、一般産業機械などである。食料品については、日本が最大市場となった。食料品の対日輸出が増大している理由としては、シンガポール政府が対日輸出促進事業の一環として、日本市場に標準を合せた市場開拓に力を入れていること、日系メーカーがシンガポールで製造した製品の対日輸出を積極的に推進していることなどがあげられる。
 日本の海外直接投資が年々増加しているなかで、シンガポール向け直接投資も順調に伸びており、86年3月末までの累計で22億6,900万Sドルに達している。シンガポールにとって、我が国は86年以降、米国をぬいて第1位の投資国となっている。最近の数字をみると、88年度に6億9,200万Sドル、89年に5億4,100万Sドルが投資されている。

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