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 為替管理制度については、シンガポールはアジアにおける金融センターとしての構築を強化するため、78年6月1日以降、為替管理は撤廃され、海外への支払い、送金、資本の移転は自由である。但し、為替管理局(MAS)の統計上の目的のため、銀行において書類記入は要請される。
 輸入手続きについては、船積書類として、普通のコマーシャル・インボイスのほか、原産地証明書、パッキング・リスト、船荷証券あるいは航空積荷受取証、輸入申告書を合せたものが必要とされる。また、輸入品の種類によっては、種々の特別証明書が必要とされる。
1. コマーシャル・インボイスは、特恵関税の適用を受ける場合を除き、特に決められた様式がないので、普通、輸出業者のレター・ヘッドの入ったものが使用されている。インボイスには必ず輸出業者の責任のある人物の署名が必要とされる。また、商品の正確な記述、数量、CIF価格、原産国、輸送船舶あるいは航空機の名称および便名が示されていること。インボイスの原本は税関当局へ提出し、コピー2通が直接荷受人に渡される。
2. 船荷証券(B/L)には、荷送人および荷受人の名称、輸送船舶の名称、輸送商品の記号、個数および形状を明記しなければならない。
3. 原産地証明書は、通常、商工会議所、公認銀行または国際的に有名な企業の発行したものでよいとされている。但し、企業の責任ある人物の署名が必要である。

 (C)輸入資金の調達状況

シンガポールでは、民間企業が船舶を輸入する場合、国からの直接助成がないので、全額自己資金によらざるを得ないが、これを短期に完済できない場合には、開発銀行または市中銀行などの手段によることになる。
 また、契約時の延払い条件の利用と、これらの融資との組合せを行うケースもあり、これらによって資金の調達が可能となれば、支払いのための外貨の取得は、為替管理上の制限や条件はないから、支障なく外貨を調達することができる。

 (D)契約条件

シンガポールの海運界は、独立後まだ歴史は浅いが、長年にわたる英国植民地

 

 

 

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